触れ合いたい距離@※/敏京




「敏弥ー、僕もう寝るでー。敏弥も風呂入って来たら?」
「ッあ、うん」


敏弥が僕んちに泊まりに来て、2人でゲームして盛り上がって。
飽きたから先に風呂入って髪を乾かす。


そこまですると、もう寝るしか無いなって事で。

ボーッとした感じに僕ん方を見とる敏弥に話し掛けたら、敏弥はハッと気付いたみたいに驚いた顔をしとった。


「…どしたん?」
「ん、や、ちょっと…」
「何やねん。はっきり言えや」
「う、ん…。京君、」
「何」


煮え切らへん敏弥の態度。
視線を僕から逸らして敏弥は口ごもる。


そんな様子を見ながら溜め息を吐いて。
寝るつもりやったから、自分のベッドに腰かける。

したら敏弥は立ち上がって僕の方へと近付いて来た。
目の前に来た敏弥を見上げると、敏弥の顔がゆっくりと近付いて来て。


キスするんやって思って少し顔を上げて目を瞑る。


優しく髪を撫でられてゆっくり唇が触れ合った。


敏弥はどっちかって言うとこう言う風な甘い優しいキスが好きみたい。

付き合って少しずつ距離を縮めて行って、キスは何回かしたけど。
敏弥の唇柔いし気持ちえぇねん。


「ん…とし、」
「京君…」
「え…!?」


角度を変えて何度もキスをしてると、敏弥に身体を抱き締められて。
後頭部に手を添えられて、そのままベッドに押し倒された。


見上げる視界には僕んちの天井と、真っ直ぐ僕を見下ろす敏弥の顔。


「な、に、敏弥」
「御免、最後までしないから触らせて、京君」
「触らして、って…」
「お願い、京君の身体触りたい」
「…ッ」


言うとる意味は、ガキや無いんやからわかる。

敏弥と付き合ってから、敏弥に繋がりやら何やらの電話番号も消されたし。


僕がなかなか踏ん切りつかんくて、敏弥を待たしとんもわかるし。

ってか、僕もヤラへんかったら溜まるし。


何や、さっきの敏弥の思い詰めとる顔は、この事考えとったんや。


眉を下げて、呟く敏弥は弱々しい声やのに。

僕を見下ろすその目は、欲に光る雄の目やった。


付き合ったんは面白半分でも無いけど、敏弥にそう言う対象として見られとるって言うんを目の当たりにして。

背筋をゾクゾクしたモンが走る。


「嫌がる事はしないから。ね、気持ち良くしたい」
「とし、や…」


そう言う敏弥はベッドに乗り上げて、僕の答えを聞く前に首筋に顔を埋めて。
柔らかい首の皮膚に吸い付かれた。

押し倒される側って、どうしたらえぇんやろ。


最後までせんって、何処までならするんやろ。


…取り敢えず。


「…見える所には痕つけんなや、アホ」
「うん」
「…乳無いで」
「うん、俺も無いよ」
「チンコ付いてんで」
「知ってる。でも京君の身体がいいの」


僕がそう言うと、敏弥は顔を上げて嬉しそうに笑った。


あ、かわえぇ。


「…物好きやな」
「京君の事が好きなだけだよ。大好き…」


そう囁く敏弥の顔がまた近付いて来て、柔らかく唇に吸い付かれる。

手が、僕の上着ん中に入って来て素肌を撫で回された。


あー、何か。
女の気持ちってこんな感じなんかな。


怖い。
けど、好奇心が勝つ。


僕の皮膚を這う敏弥の手が、上着をたくし上げて来て。
自分自身でも、もどかしいその布切れを脱いでいく。


敏弥の前で何回も半裸なんかになっとんのに。
こう言う場面なったら何や気分も違うモンやな。


そんな事を思いながら。
そのまま敏弥に腕を回して引き寄せて、噛み付く様にキスをした。










「……ッ、は…、ぁ…」
「声、出して」
「…っ無理やろ…!」
「京君の声聞きたい。ね、声聞かせて」
「…ぅあ…ッ、そこアカ、ン…っ!!」
「ダメじゃないよね?」
「…っ」


全裸んなった僕の足元で、敏弥の視線が絡む。


男がそんな声出して喘がれへんやろ…!


見えるトコに痕付けんなって言うたら、内太股にキスマークしつこく付けて来て。

片足を抱えられて太股、ふくらはぎ、足首と段々下へと降りて行く敏弥の唇と舌。


足開いた間に敏弥がおるから閉じる事も出来ひんし、片足抱えられとるんてめっちゃハズい体勢やねんけど。


それ以上にハズいんがコイツの愛撫の仕方で。


擽ったい言うてもやめてくれへんし、逃げられへんし。

めっちゃ優しいんはわかるけど、めっちゃしつこい。


早よイかしてって思うんに。
まだこのふわふわした快感の中でおりたい気もする。


僕自身には一切触れて来ん癖に、乳首や脇腹、臍回り、付け根。
唇と舌で愛撫される。


あーもう。

気持ちえぇし。

敏弥とせな、知らんかったわな。

自分の性感帯なんか。


「…っふ、ぁ…!」
「気持ちぃ?」
「やめ、や…っ、汚いって…!」
「汚く無
いよ、京君の身体だもん。めちゃくちゃ綺麗」
「…ッ」


足を舐めとった敏弥が、足の指まで口に含みやがって。
舌で指の間を舐められると、足先から言い様の無い感覚が背筋を駆け上がった。

甘噛みされたり、舐め回したりして。

でも敏弥は僕から視線を逸らさへん。


僕の反応を、ずっと見とって。

その視線が、僕を興奮さした。


もっと見とって。

僕を見て興奮する敏弥が、めっちゃ可愛いから。




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