贈り物 | ナノ



「…い。おい、名字」

「わっ、塚原君?!」

「驚きすぎだっつーの」


さすがに、背後からいきなり肩叩かれたら驚きます。


「お前、こんなとこで何してんの?」


塚原君は不思議そうに私を見る。
なぜなら、ここは服屋でそれも男性向けのお店だからだろう。


「弟たちにプレゼントしようと思って、選んでたんだよ」

「あー、あの双子な…」

「でもいいのがなかなか見つからなくて。もう帰ろうかなって思ってるところ」

「それならオレも一緒に探してやるよ」

「え、いいよ!塚原君も買い物に来たんでしょ?」

「だから、ついでだよついで!」


塚原君はそう言って周りの服を見渡す。


「で、どんな服探してんだ?」

「新しい上着を買おうかなって思って。今着てるのは結構古くなってきちゃったから」

「じゃあ、ここじゃなくてあっちの店の方がいいな」


塚原君について行った先のお店は、さっきと違って少しカジュアルな感じのお店。
さっきのお店は大人っぽくて落ち着いた感じだった。


「あいつらまだ中学生だし、こっちの服の方が合うだろ」

「うん…!確かに、こっちかも。塚原君すごい」

「すごい、って…別に普通だろ普通…」

「だって塚原君、うちの弟たちには1回しか会ってないのに二人に似合う服があるお店がわかるなんて…!」

「そ、そうか…?」


塚原君は照れくさそうに頬を人差し指で掻く。
その後、二人に似合う上着まで探してくれた。


「これならあいつらに似合うだろ」

「うん!ありがとう買ってくるね!」


塚原君はおー、と軽く手を挙げて返事をしてくれた。
会計を済ませると、塚原君がある服の前で悩んでいる姿を発見した。


「それ、買うの?」

「ん?ああ…デザインとかいいかなって思ったんだけど。やっぱいい。合わなそーだし」


塚原君が見ていたのは、紺色のカーディガン。
胸のところにワンポイントがついている。


「なんで?塚原君、きっと似合うよ」

「は?」

「ううん、絶対似合う!」

「……」


塚原君が見ていたカーディガンを手に取り、本人の肩に合わせてみる。
塚原君は元から落ち着いた雰囲気があるけれど、なんかもっと素敵に見える。


「ね?」

「わ、わかったよ…。名字がそんなに言うなら…」


そう言って私からカーディガンを受け取ると、レジの方へ行ってしまった。
なんだか少し顔が赤かったような気がしたんだけど…なぜだろう。
やっぱり、私の気のせいだよね。





















「今日は本当にありがとう!助かったよ」

「オレの方こそ、ありがとな」

「じゃあまた学校でね」

「ああ、またな」


軽く手を振って、塚原君と別れる。
今日は塚原君のおかげでいい買い物ができた。
それに楽しかった。
今度また、一緒に買い物に行きたいな。








デート気分で。








(要ったら、いつの間に名字さんと…)
(げっ、祐希に小ザル!?)
(要っちだけずるーい!名字さんとデートするならオレたちも誘えっての!)
(デートじゃねえって!)
(洋服合わせたりとかすっごい至近距離だった)
(しかも要っち顔赤いし)
(うるせえ黙れお前ら!)




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

あとがき


20000キリリク、はるにゃん様へ!
今回は連載夢主で書かせていただきました。
遅くなってしまった上に、あまり要が照れていない…!!
これが今の私の限界ということか。
男の子が照れるポイントって、どこなんだろう…。

これからも、遊びに来てくださいね!
リクエストありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!







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