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 1日のんびりして翌々日出勤した俺に、朝一番に来客があった。

「なんか俺、すげぇマズイもん見ちゃったみたいで、命狙われてるンすよ。
 昨日まで行きつけのクラブのオーナーに匿ってもらってたンすけど、ケーサツ行ってヨシイって人に頼めっつって追い出されたンす。
 アンタがヨシイサン?」

 ずいぶん軽い話し方をする若者だが、だからこそ警察に真っ先に頼るべきところをヤクザに頼ってしまったのだろう。

 つまり、住吉の組に情報の横流しをしてもらったというわけ。

 上司は情報源が向こうから飛び込んで来たと喜んでいたけど、裏のからくりを知っている俺は関係各所にお礼をしなきゃいけない。

 まぁ、あの人たちは堅苦しいお礼なんてすると他人行儀だと嫌がるから、とりあえずお礼の電話をするだけだけど。

『あ、それ、俺からのお礼です。いつもより分かりやすいって好評でしたよ。晃歳もさすが公務員って感心してました。また機会があったらお願いしますね』

 まず真っ先に電話した相手の七瀬さんに種明かしされて、俺は苦笑するしかない。
 俺がその情報が欲しくて悔しがっていたのを貴文から聞いて根回ししてくれたのだと分かったし、貴文が俺を喜ばせようと内緒にしててくれたのも分かったから。

 帰ったらお礼にたっぷりサービスしなきゃね。

 もらった情報源のおかげで余裕のできた仕事を頑張りながら、こっそり笑う俺だった。





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