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 二人の会話に一段落したと見て、ユーリが首を突っ込んでくる。

「年っていや、カズマは今いくつなんだ?
 俺より年下っぽいのにしっかりしてるもんなぁ」

「……十七だけど?」

 この世界でその年齢が大人なのか子供なのかは和磨にもまだわからない。
 それに、ユーリが今何歳なのかもまだ知らない。
 そのため、どう見られているのかと不安げに答えた。

 ユーリの反応は、驚きだった。

「同い年か!?」

 年下っぽいと言われていたのでユーリより下に見られていたのはわかったが、一体どの程度の年齢を予想していたのか。
 ユーリは実に大げさに驚いていた。
 一方のメフィストは、確かに驚いたようではあったがそれほど大きな反応もなく、黙って二人のやり取りを観察している。
 彼ほどの年齢にもなれば、十五も二十も大差はないのだろう。

 驚くユーリは半ば無視して、和磨はメフィストに目を向けた。
 そもそも可愛い系で一地位を築いていた和磨は裏を返せばつまり童顔で、商売としては大事な武器ではあったがコンプレックスがないわけでもないのだ。

「この世界って、何歳から大人なんですか?」

「ふむ。
 十五で職に就くが、十代のうちはまだ見習いである事が多いから子ども扱いだ。
 この年からと明確に定まっていないが、一般的に大人と認められるのは大体二十歳前後からだな」

 そこは、肉体的な成熟にもよってくることで、どこの世界でも似たようなものだろう。
 つまり、和磨やユーリが子ども扱いされるのも当然というわけだ。

「ユーリはまだまだ子供だが、君はもう十分大人だの、カズマ」

「まだ子供でいたいですよ。甘え足りません」

「ほほ。そろそろ大人の甘え方も覚えることじゃ」

 年寄りだという自覚がそうさせるのか、アスタロトと同じ年寄り臭い笑い方をするメフィストに、和磨は苦笑を返す。
 おそらくそれはアダルトな意味の指摘なのだろう。
 ルーファウスの餌として地底世界にいたことを知っているメフィストのその台詞は、甘える相手はルーファウスを想定しているものと思われる。

「……頑張ってみます」

 真っ赤になって俯いての和磨の反応に、ユーリは不思議そうに首を傾げ、メフィストは満足げに頷いた。

 そうこう話しているうちにテーブルの上の皿は空になっていて、メフィストが手にしたグラスを煽って飲み干すと、二人を促して立ち上がった。

「さ、次は聖力使いのところへ案内しよう」

 促されて、二人もまた同時に立ち上がった。





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