永遠なれネタ(上と少々繋がりあり)

「総悟、随分髪が伸びたよね。切る予定は無いの?」

「んー、どうしやしょうかねェ。ここまで伸ばすと邪魔っちゃァ邪魔だけど、こうやって紫亜に髪結ってもらうひと時がたまらなく幸せだからなー」

総悟の髪をいつも通りに丁寧に結っていると、黙って見ていた総司が紫亜の傍へやって来る。紫亜の着物の袖を引っ張りながら、口を開いた。

「ははうえー、ぼくも髪のばしたら、ちちうえみたいに結ってくれる?」

「総司はダメでィ。母ちゃんに甘えられんのは俺だけだからな。総司は俺に甘えときなせェ。髪も結ってやりまさァ」

前を向いたまま、総悟はそう言うと、総司は不満そうな顔をする。

「やだー! いっつもちちうえがははうえを独りじめしてズルい! ちちうえよりははうえの方がやわらかくて気持ちいいもん!」

「……総司、マセた事言ってんじゃねーぜ」

「マセた?」

「母ちゃんの方が柔らかいとか……。いいか、紫亜の乳は俺のも……いでっ」

髪を結い終えた紫亜は、それまでずっと前を向いてた総悟の頭を叩いた。

「何バカな事言ってるの。総司、おいで。我が儘な父上に構うのは、今日はおしまいだから」

「やったー!」

総司は自分に向かって手を広げた母の腕の中へと、大喜びで飛び込んだ。
抱き付いた総司の頭を愛おしそうに撫でる紫亜と、ニコニコしてる息子の姿を見ると、総悟は除け者にされた気分になった。

「そりゃーねェぜィ」

今度は総悟が不服そうな表情を見せる。そんな総悟を見て、紫亜はフフッと静かに笑う。

「今度は2人一緒に、父上に構って貰おうね」

「うん!」

紫亜と総司の笑顔が自分に向けられた。一瞬、キョトンとしたが、総悟も笑みを返すと

「おう、いくらでも構ってやりまさァ」

と腕を広げた。
胡座をかいた総悟の膝に、総司を抱えた紫亜が座る。
そんな紫亜と総司の頭を、総悟は同時に撫でた。


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沖田の長い髪を、毎日ヒロインが結ってあげてたら萌えるなぁ、と思って書いたものです。

2013/10/29


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