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 どうも、おはようございます。沖矢さんが工藤邸に住み始めて何ヶ月か過ぎました。
 まだ寒い季節、私は一つの問題に直面していた。

「沖矢さん、今日はどうなんだ……」

 パジャマから着替えて、洗面所がある脱衣所のドアの前に立つ。ノックをし、沖矢さんからの返事がするとドアノブに手を掛け一気に開いた。
 私の方を見る沖矢さんの、服は……――

「ああ、おはようございま」

バタンッ

「〜〜〜ああ、もう!!」

 大股で廊下を歩き、自分の部屋へと逆走する。部屋に入るや否や、着ていたハイネックのシャツを脱ぎ捨てた。

 なんで沖矢さんハイネック着るの?ペアルックになって私が着づらくなるじゃない!もっと他の服着てよ!!

「……流石にワンピースなら被らないか」



「言わなくても君がどんなものが好きか嫌いかくらいは分かってきましたよ」
「へー、例えば?」

「女の子らしい服が好きなところ。最近、大学に行く際によく着てくれてますよね」

「き、気のせいです!」
「気に入ってくれたみたいでほっとしました」
「勝手に納得しないで下さい!!」

 それは半分、沖矢さんと被りたくないから!!

A
 休日、昼食を用意しようと冷蔵庫でストックしている食材をチェックする。
 ……思ったより少ないな。あとお米もそろそろなくなる。

 リビングにいる沖矢さんの服は……ハイネックじゃない、ジャージ。私は、ハイネック。よし大丈夫、被ってない。

「沖矢さん、野菜とお米なくなってきたから買いに行きましょう」
「……ええ、すぐに行けますよ。
 車のキーは玄関にあるので、先に乗って待ってて下さい」
「ありがと」



「お待たせしました、では行きましょうか」
「……え、着替えた?」
「ええ、さすがにジャージはどうかと」
「わ、私も着替えます!!」

 沖矢さん着替えるのはいいけどハイネックってどういうこと。私着てるのついさっき見たよね?しかも上着の襟が私のと同じだし!沖矢さんが同じタイプの襟が付いた上着やたら買ってたの完全に頭から抜けてた!!

 エンジンがかかると同時に、助手席のドアを開けようとインナーハンドルを掴んだ。ちょっと待って、いくら押してもドアが動かないんだけ、ど……

「沖矢さん!」
「はい?」
「ドアロックされてるんですけど!!」
「故障でしょうか」
「こういうときばっかりすっとぼけて!何楽しそうに故障とか言ってるの!?」

「車出しますよ」
「やめてええええぇぇぇぇぇぇ……」

早く春よ来い――!
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