小説 | ナノ
■ 一度でも


悔しくて仕方なかった。
悲しくてしかたなかった。

なぜか、泣いていた。


『南沢、先輩・・・!』

「・・・」


最後はかっこよく終わりたかったのに。
なんでついて来るんだか。


『先輩・・・雷門辞めるんですか?』

「あぁ」

『辛いんですか?』

「あぁ、しんどいんだ」


しんどいのは確かだ。
革命なんて、無理なんだ。
夢を見すぎているんだ。


『苦しいですか』

「あぁ」


サッカーってなんだろう
そんなことも考えてしまうくらい、しんどいから。


「もう、ほっといてくれ」

『最後に、質問です。。雷門のサッカー楽しいと1度でも思いましたか』

「・・・あぁ」


そんな事きかれたら、
せっかく決意したのに、、また、迷うだろう?


『苦しいだけなら、悲しいだけなら辞めてください。
 でも、一度でも、楽しいと思うなら頑張ってください』

「・・・」


苦しくて、しかたなかった。
かなしくて、しかたなかった。

でも、それ以上に雷門が好きだった。


「ハッ・・・辞めるてやるよ。うんざりなんだ」

『じゃあ、泣かないでください・・・・』


名前には背中を向けているのに
泣いてることがばれていた。


「・・泣いてねぇよ」

『後ろ向かないでください。。一人で、悩まないで・・・』


そういわれた瞬間、抱きつかれた。
痛いぐらい、思いっきり。


どうしてだろう。


余計涙が溢れてくるんだよな。。




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