小説 | ナノ
■ 傷つけ愛2


霧野さんとさよならをしてから、
思い切ってメールしてみた。

けど。


「このメールアドレスは存在しません」


が永遠受信されるばかりだった。


『うぅっ・・・』


悲しすぎて、涙が出てきました。
涙はいつまでたっても枯れません。


『そうだ、電話なら・・・』


ppppp・・・・・・・・


狩「・・はい」


それは、すぐに吹き消されてしまいそうな細い声。


『いまから、あえないかな・・・?』
狩「・・・いいよ」
『稲妻公園のベンチで待ってるから』
狩「・・・・ん」


いつもの何倍も素っ気無い返事。
泣きそうだ。でも、泣いちゃ駄目・・・!


数分後、マサキはトテトテと歩いてきた。


狩「手短によろしく」
『…』


何を言えばいいんだろ…
呼び出す事ばっか考えてた…


狩「なんもないなら帰るけど…?」


付き合ってた頃は優しく待っててくれたのに…


『えっとね、、』
狩「…」


ねぇ、なんで、、
泣きそうな顔するの?


『私が…大好きって言えたなら、愛してるって言えたなら・・・・』
狩「・・・」
『マサキは、私のところに居てくれたの?』


喉の奥から出てきた言葉。
絞り出したような声。


狩「・・・どーだろう」
『っ・・・』


悲しいそうな顔で、そんなこと言っても
説得力がないよ。。


狩「名前に俺の気持ちは分からないし、名前も俺の気持ちは分からないだろ?」


何てことを言うんでしょう?


『壊れるほど愛しても、ほんの少しもマサキには伝わってなかったんだね』
狩「・・・・・」


ごめんね、
分かってあげられなくて…


『でも、分からないから心配で、ずっと側にいたいって想えるんだよ…』
狩「俺には分からないんだ」


マサキの目から雫が落ちた。


狩「雅野の方が良いと思う。俺より大人だし、、お似合いだから」
『嫌だ…嫉妬で別れるなんて、、嫌だ…』
狩「なんで?」


だって、



『好きすぎて離れるなんて…大切すぎて別れるなんて…切なすぎるよ、、』
狩「…ごめんな」


そういって、マサキは私を抱きしめました。


狩「泣くなよ…」
『うん…』


狩「俺に、もう一回チャンスをくれませんか」


好きすぎて、
大切すぎて、
傷つけてた。

ごめんね。

でも、これは、

ただの “傷つけ合い” じゃなくて

“傷つけ愛”なんだよね?




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