笑うという動作は自然現象だと思う。なにも考えずともおもしろいと脳が判断した瞬間に口のはしっこが勝手にあがっていってしまう。同時に気分もよくなって、楽しいだとか、嬉しいだとかの感情をよぶ。まあ今の場合は別として。それはおいといて、例えばわたしが一人部屋にいるとグラン様がやってきてこう言う。「君はなんて美しいのだろう。どうか俺の恋人になってください」グラン様、美しいだなんてそんな…わたしにはグラン様はもったいないですうウフフ……げふんげふん。今のは聞かなかったことにしてね。気を取り直してテイク2ー!いきなりグラン様がやってきてこう言う。「俺のかわいいなまえ、どうか結婚してください」うぎゃー!もうしんでもいい!!……げふんげふん。うん、まあそういうことよ。なんていうか言いたいこと忘れたからもういいや。とりあえず極端な話、おもしろかったら自分の意思関係なく表情にでてしまうのだ。そういうことあるでしょ?……ない?じゃあ付け加えとくよ…少なくともわたしはそうなってしまうのだ。そして今。わたしは勝手にうごいてしまう頬の筋肉と戦っている。今のところはわたしの力強く噛み合っている奥歯が勝っているけど油断は禁物だ。わたしの目の前にいるものは大変危険だ。そりゃもう一目見ただけでこんなにも苦戦しているのだからどれだけ危険かを理解してほしい。そしてわたしが笑ってしまうと今度はわたしの命が危ういということも理解してほしい。じゃなかったらとっくにこの奥歯にこめる最大パワーをぬいて全身に広がっている痙攣はやんで気持ちよく大笑いしているのだ。ああもう本当に勘弁してください。目をそむけていられるのが唯一の「おい、どうした」っっっっっっっっっ!!!





その瞬間に頭が真っ白になりました。




(バーン!!!)(…なんだガゼルか)(おまえだろわたしの顔に落書きしたのは!!)(ちっばれたか)(しかも書きすぎだ!このバカ!!)(なまえに笑われたからってそんなに怒るなよー)(!)
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