ぐぐっと肩を掴む手に力がこもる。痛くはない。頭は、さっきおもいっきりぶつけてしまったからかなり痛いけど。じんじんしてきた頭の痛みにおもわず顔をしかめてしまう。すると綱海が「あ、わりい」そう思うならいきなり押し倒さないでほしい。びっくりするでしょうが。「はやくどいて」「は?」きょとんとされてわたしはちょっとむかっときて「なにがしたいわけ?」とかえした。


「俺たちもさ、もう中三なんだよな」


は?話噛み合ってないんだけど。意味わかんねえこいつ。そう思って口をひらくとそれを見計らったように素早くキスされた。べつにただ唇をかさねているだけなのに奴はしっかりと目をとじていた。長い睫毛が目の前にあって、目をとじてくれていてよかったと思った。こんな至近距離でみつめられたら恥ずかしくてしぬ。
無言で唇をはなすとかたを掴んでいた手も同時にはなれていった。キスがしたかったのか。わたしは綱海がどいてくれるのをまつ。ところが綱海はどくどころかわたしのうえに倒れこむようにわたしの顔の両側に手をついた。さらさらの髪が頬にふれる。え。


「だからさ、」


は?ちょっと間をおいて、綱海がさっきの言葉の続きを言っていることに気がつく。中三だから?
ぷつっ。カーディガンのボタンがひとつはずれた。綱海の視線はいつのまにかわたしの顔からカーディガンのボタンへとうつっていた。器用に片手で次々とボタンをはずしていく。わたしの顔に一気に熱が集まって自然と動く綱海の右手を掴んでいた。ぶつかる視線。なにしてんだ、そう目でうったえられている気がする。わたしはおおきく息をすってから一言。「なにしてんの…」熱はまださめない。綱海は赤いであろうわたしの顔をまじまじとみつめたあと、にやっと笑ってわたしの頬にキスをした。



「条介ってよべよ」





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