coupling | ナノ
嫌いになれない程好き
まるで、恋人のように体を交えることはあったが恋人のようなことはしたことがない。
まず、俺達は恋人なんていう甘い関係ではない…はず。
デスタはどう思っているのか解らないが俺の中では俺達が恋人だという関係は成立しない。
「…好き、だ。」
俺より少し大きな淡い褐色の背中を見つめる。相手が寝ているからこんなことが言えるのであってデスタが起きているときになんて言える訳がない。
この気持ちを自覚するのが遅すぎた。
悔しい?それとも、悲しい?
俺達の関係が解らなければ俺の中で生きている感情が何なのかすら解らない
ただ胸を擽る恋情が苦しくて、今になって後悔なんてして、巡る気持ちがいっぱいいっぱいで涙が溢れそうな程。
目前にある背中を指先で触れてみれば指先には確かに温度を感じる。それは俺よりも温かいものだった。
まるで、人間のような。
「ふっ…人間、か…」
人間で言う肩甲骨の辺りに指先を滑らせる。そこから生えているのは黒い翼
羽は無く、まるで皮と骨だけで形成されているような俺達には存在しないもの。
あぁ…やはり悪魔なんだ、と。
そんな空想動物を信じるわけではないが、目の前にこうやって翼と皮膚との接合部を見せられたら認めざるを得ない。
異端生物。
人間が人間以外に恋情を抱くなんて、な
「(俺には飛び越えられそうにない壁、ばかりだ…。)」
お前は男、俺も男。
お前は悪魔、俺は人間、
この気持ちを伝えて良いのだろうか…それとも、駄目なのだろうか。
これはお前にとって迷惑か?
色が混沌する。
ポロポロと頬を伝う雫が白いシーツを濡らしていた。拭っても拭っても止まりそうにない。
「…うっ…ぅ」
ギシリとベッドが音を発てる。
それと同時にふわりと温度が俺を包み込んだ。温かくて優しい体温。
宥めるようなあやすような、心地の良い声が耳に入り絡まった思考を溶かしていく。
「何、泣いてんだよ…」
「ちが、う…んだ」
「ちがくねーだろォ」
まるで、呆れたようにデスタは笑った
背中に手を回して抱き締める、冷たい指先がじんわりと熱を持つのが快い。
優しく頭を撫でてくれる
悪魔の癖に優しくて、可愛い顔をして
だけれど、カッコいい一面があったり
なんでだろうか、
良いところしか浮かばない。
「…___。」
「ん?…」
「ふっ…なんでもない」
「なんだァ?…いきなり元気になって」
小さな声は彼に届かなかったらしい。
目尻を赤くしてくすくすと笑えば、さっき思いを空気として形どっただけの唇で精一杯の言葉を並べる。
嫌いになれない程に好き
(責任とってほしい、なんて)
next
_______
く っ つ い た ?
曖昧な終わり方ですまないです
一応くっついたことにして
次進めます。
補足で漫画か絵か文、書きます。
出来たときはnewにて確認を
何だかぐだぐだしてる…!
サイトが一周年する前には
デス鬼を終わらせたいと思っているので
焦っています。
夏休みの間に終わると良いな
有難う御座いましたっ!!
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