coupling | ナノ
×××××




まるで女のような座り方をする鬼道は虚ろな瞳に床を映す。腕を後ろで縛っている黒い縄がお似合いだ。
そんな姿に俺は小さな笑みを溢した。


「鬼道」


名前を呼べばぴくんっと肩を揺らす。
俯いていた顔を上げ、俺を見上げる。見つめ合えば涙が枯れたかと思っていた瞳はジワリと、また瞳を濡らす。

涙に見えないそれは、まるで血液で潤んでいるように見えて、俺の背筋をゾクゾクと歓喜で奮わせた。


「うっ…、っ…うぅ」

「なぁ、鬼道」

「ど、してっ…ぅ…何故っな、んだ。」


長い睫毛が上下する度に涙が頬を濡らす。
先程から泣いては泣き止み泣いては問いの言葉を紡ぎ、何度繰り返しても終わりが見えてくることはなかった。


「何故かって?…鬼道。さっきも言ったじゃないか。何回答えをお復習するんだ?」


クスクスと小さく笑う。油断すると口角が自然に上がり声をあげて笑いそうだ。


「も、うぅ…やめっ…くれ…」

「やめてくれ?…何故?気持ち良いだろう、鬼道?」


足で思い切り頬を蹴ってやれば気持ち良さそうな声をあげて鬼道は倒れ込んだ。
所々に紫や青に染まった肌が俺の欲望を掻き立てる。


「…ひっ、ぅ…ぐぁ…」

「なぁ、鬼道。気持ち良いだろ?それとも足りないか?…」

「違っ…!」

「切断とかは、まだ早いから今度は鞭とかにしような」

「さくっま…違、うか…ら!」


倒れている鬼道さんの上に馬乗りになれば、肌を指でなぞっていく。
恐怖で揺れる瞳が愛しい
紫色に変色している肌、俺が残した噛み痕にキスマーク、首を絞めた痕、腕を縛った痕、足首にも紫やら赤色らしき痕。
全部、これ全てが俺のだと言う証。


「今度一緒にお揃いのピアスかタトゥーしよっか。」


鬼道は首を横に振る。
喜んでくれてるのだろうか?


「最近は乳房にピアスをつけるなんて流行ってるらしいぞ?やってみるか?」

「い、いやっだ!…」

「鬼道は素直じゃないなぁ…」


そんなトコロも可愛いのだけれど


「うっ…ぅ…いやだぁ…っ」

「さぁ、鬼道。今日も俺の愛をたくさんあげるからな。」


そう言って鬼道を抱き締め口付けた。




×××××
(俺が歪んでる?)
( 違う。貴方が俺を歪ませたんだ。)




end






――――――
軟禁話?
自分も書いてる内に解らなくなっちゃったんですよ(笑)
なんか佐久鬼は鬼道さんが女々しくなっちゃうなぁ…。
愛して愛しすぎた!の続編ではないです
ただ単に私が佐久鬼はこういう系しか書けないだけなんですよ(笑)

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