coupling | ナノ
惚れたが負け
扉をノックする音が聞こえたから、扉を開けた。
ただ、そうしただけ。
ただ、開けただけなのに。
俺は何故ビンタを食らった?
「お前のせいで…っ!」
「な、何の話だ?…」
じんじんと痛む頬を押さえながら相手に問う。生憎、俺にビンタを食らわせた女は全く面識がない為恨まれるようなことをしたのかなんて全然解らない
と言うより、俺は誰かに恨まれる筋合いなどないはずだ…と願いたいものだ
「なんで!なんでっ!デスタがお前なんかをっ!!」
そう扉前で叫べば女は涙を流しながら崩れ落ちた。
すすり泣きながら、「どうして」や「なんで」等と疑問を嗚咽混じりに呟いている。
よく見れば女の姿はデスタと同じ服(ユニフォームと言った方が正しいのかもしれない)を身に纏い、黒い翼のようなものも背から生えている(本物なのか疑問だが)。
デスタの仲間であることは確かだろう
気になるのは、女が涙している理由だ
俺が悪いみたいだが、俺は何かした覚えがない。
「男、なんかにっ…!」
「一回落ち着こう、俺で良ければ話を聞く…デスタの部屋だが…入」
差し伸べた手を払われた。それと同時に言いかけていた言葉を失ってしまった。
「人間風情がっ!!」
そう捨て台詞のように言い残せば、女は走り去っていった。
人間風情、か…。
今思えばここは俺が来るべきところではなくて、本来ならば春奈を生け贄に魔王とやらを復活させるというのがデスタ達の目的であるはずだ。
俺がここへ来たことによって魔王復活は阻止された、アイツ等にとっては迷惑な話だろう。
それに、あの女にとっても…。
何故、俺が悩まなければならないんだと、すっぱり割り切れてしまうなら何も問題はないが。
何かが俺の中でつっかかっているような、悩まずにはいられない何かが俺を苦しめていた。
「…選択ミスか、俺らしくもない。」
この始まりを思い出せば、俺は自嘲を漏らして扉を閉じた。
惚れたが負け
(俺の圧勝だと思ってたのに)
next
――――――
デスタ出なかったw
女の子はアラクネスじゃありません。性格知りませんが一応バルバトスっという子。
アラクネスはデス鬼賛成派
選択ミスと言うのは
春奈と引換に自分がデモンズryに来てしまったこと。
本来の自分ならば、サッカーで春奈を取り返していただろうてことです。
本来、ですから。
あの時に判断をしたのはいつもの鬼道さんではないんです。
まぁ鬼道さんは自分でも気付かない内にデスタに一目惚れをしたと(サッカーボール痛そうだったが)
一目惚れが鬼道さんの選択ミスに繋がる訳です。
因みに、私が書きたかったのは
いくら大人びた鬼道さんでも自分のエゴで動くことがあるんだっていうのが書きたかったのよ。
ふむむ、精進します。
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