coupling | ナノ
愛して愛しすぎた!

※食眼



「は…、ぁ…佐久間」

「愛してる、鬼道」


見つめ合いながら、抱き合いながら言う。
激しい口付けを終えた鬼道の頬は、ほんのり紅く色付いていて厭らしく感じた。

ゴーグル越しに見える紅なんて、厭らしいなんて言葉で表せない程に妖艶で俺をゾクゾクと煽り興奮させる。


「鬼道…。」


慣れた手付きで鬼道の瞳を隠すゴーグルを外していく、外し終われば鬼道がゆっくりと瞳を開く、露になった紅。

あか、赤、アカ、紅。


「佐久間っ?!」

「とても、綺麗だ」


鬼道が逃げないように肩を思いきり掴めば、そのまま近くのベットへと押し倒した。
鬼道は「いたいっ!」と悲痛な声を上げ、不安そうな表情で俺を見つめる。
ゲームメイクを行うときとは全然違う弱々しい彼の表情は俺の心をくすぐる。

壊せ、と。


「鬼道…、鬼道。」

「ど、うしたんだ…?…」


鬼道の存在を確かめるかのように、鬼道の顔をペタペタと何回も触り、時には手を鬼道の頬に固定して口付けを落とす。
疑問符を浮かべる顔は可愛らしい。

その行為に飽きが出ると俺は鬼道に深く口付けた。
舌を絡めさせる度に鬼道の嬌声が漏れ、くちゅりくちゅりと水音が鳴り響く。
その中にガリッと相応しくない音が聞こえれば鉄の匂いが鼻へと通い、鬼道の瞳から涙が零れた。


「ん゛ーっ!!…う゛ッ、…」


嬌声が甘い雰囲気を壊す苦い声へと変わった。それでも構わず激しく口付ける。
空気が愛しいのか俺の胸板を叩く、痛みからか苦しいからか鬼道の瞳からは涙がポロポロと頬を伝う。

唇を離せば、紅い糸がひいた。


「運命の紅い糸だな」


クスリと嬉しそうに笑えば、鬼道は眉間に皺を寄せて言葉を発しようとする。


「さくまっ…何、するんだ…!!」


痛みに耐えながらも酸素を求め、言葉を発する。流石天才ゲームメーカーだなと改めて思った。


「何って…キスしただけじゃないか」


満面の笑みで答えれば鬼道の瞳に二本の指を宛がった。
押し進めばグチュリと卑猥にも聞こえる音と鬼道の苦痛な悲鳴が耳に響いた。
俺の腕を掴む鬼道の爪が食い込んで痛い、なんてふと思ったが鬼道の表情を見たら、そんなのは可愛いものだと笑えてきた。


「あ゛あ゛あ゛ッぐっあ…いだぃ、いあ゛い…さぐまぁ゛!さぐッま゛!!」

「ほら、鬼道。もう少しで取れるから」

「ひぃッぐぁ!!…やめ゛っやめろぉ゛、さぐあ゛…おねがぁ゛!!」


指を回す度にグチャグチュリと、まるで蕾を解して行くときのような卑猥な音が心地よくて笑みが零れる。

喘ぎ声に聞こえる悲鳴は止めろと懇願し、声をずっと発している口は開きっぱなしで血が混じった涎をダラダラと流れている。
俺の指が突っ込まれている瞳からは涙にも似た紅が溢れ褐色した俺の手の平にまで紅が伝う。


「ほら、鬼道…取れたぞ。」

「い゛っ…さぐまぁ゛…い゛だぃ…ひっひっいあ゛ぃ…ひっひっはぁあ゛」

「やっぱり、鬼道の瞳は綺麗で美味しそうだな。」


忙しく肩を上下させる鬼道、痛みの余韻が残っているのか喘いでは痛いと連呼し、酸素を求めている。
ウットリと紅い眼球を見つめれば、パクリと一口で食した。

一回噛めば液体のような物が流れ出て口内にソレの味が染み渡る。
味わうようにゆっくりと噛んで、鬼道の一部を食しているという幸せを噛み締める。

ゴクンと飲み込んでから鬼道を見れば、片目を虚ろにさせて気絶していた。


「愛してる、鬼道」


二回目の台詞を吐いて鬼道を抱いた。







(でも、愛だからいいだろう?)



end...

[ 20/33 ]

[*prev] [next#]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -