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たまにはラブラブ

※年齢操作⇒高校生



不動の頬に一筋、涙が通った。
「嫌いって拒絶してくれよ」なんて言われた鬼道は、先程と同じように困惑の表情で不動を見上げる。


「ふ、どう?」

「…それだけじゃ気が収まんないっつうんなら、殴ればいいだろ。」

「おいっ、話を聞け!」


鬼道が強く怒声を響かせれば不動は嘲笑うように鼻で笑う。
先程の涙を深緑に浮かべながら笑うものだから、哀しい表情にしか見えないそれは鬼道の心を酷く痛ませた。


「鬼道クンこそ人の話を聞いとこうぜ?」


再び鬼道の両手首を掴む力が込められる。
鬼道の耳に口付けるくらいの近さで不動は囁くように言った。


「嫌いって拒絶してんくなきゃ、俺はこのまま鬼道クンを犯すっつってんの。」

「冗談はよせ、っ!」

「なぁ、どうする?」


吐息混じりの声で囁き、片手は鬼道のベルトを外そうとする。
カチャカチャと二人しか居ない教室に響き渡るベルトの音は鬼道の返答を焦らせる。


「……好き、だ。」

「はぁ?お前何言って…」

「…認めたくないが、お前が好きだ。だから、例え嘘だとしても不動を嫌いだなんて言いたくはない。」


口から咄嗟に出た言葉。
いや、これが鬼道の本心なのだろう。
不動は驚きのあまりベルトを外そうとする手を止めた。


「…嘘、だろ?」

「嘘ついて何になるというのだ?一緒に下校したり、不動の家に行ったり…同情でそこまではしないだろう?」


すらすらと不動を宥めるように鬼道は言葉を並べていく。
酷いことをされているにも関わらず、鬼道は不動を真っ直ぐ見つめ笑った。

「…同情なんかじゃない、ぞ?」


そう言われれば、不動は俯いた。
さっきから今の今までしてきたコトは、鬼道にぶつけた言葉は何の為だったのだろうかと、彼を信じていいのかと。
頭が良い故に物事を考え、そして疑う。


「わりぃ」


辿り着いたのは三文字。
鬼道に対しての謝罪、たくさんの意味が込められているであろう言葉は重く響く。
そう言って不動は鬼道の両手首を掴んでいた手を離した。


「謝るのは、俺の方だろう」

「鬼道クン、何も悪くねぇじゃん」

「俺が原因でこうなったんだ。…すまなかった」
鬼道の手が不動の頬を撫でる。それに答えるかのように不動も鬼道の頬を撫でた。


「不動…、」


どちらともなく唇を重ね合わせた。
最初の激しいキスとは違い、ちゅっちゅっと何度もついばみ口付ける。


「好きだぜ、鬼道クン」


今度は愛が満ち溢れんばかりの甘い言葉
告白でも、再確認でもない。


「あぁ、俺もだ」


頬を朱に染め笑みをこぼす。
クスクスと笑い合い、またどちらともなくキスをした。







(ちゅっちゅっちゅっちゅっとキス三昧)






fin.

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