俺を愛でよ! | ナノ


01-1


『ここが1-B組か!』


桜舞う春……とかそんなんどうでもいいや!ハローハロー!俺の名前は江村青汰。今日から帝国学園生になる。
クラス表を貰い、窓際の一番の机に座って突っ伏していたら、コツンと頭を小突かれて聞き覚えのある声がした。


「よっ、青汰!」
『おー、健也じゃん!相変わらずお前の小突きはゾクゾクするぜ』
「また変なこと言って、ドMだってバレるぞ」


俺の頭を小突いたのは幼なじみの成神健也だった。音楽ばっか聴いてるくせに何気に頭良いんだよな。


「つか青汰、さすがに青はまずいんじゃないか?」


健也は俺の頭を指差して呆れ顔で言った。
俺は中学に入ると同時に髪を真っ青に染めた。理由は青色が好きだから、目立つから、綺麗だから。何よりも、空が好きだから。青い毛先を摘んで日にかざせばキラキラと綺麗な青が目に飛び込んでくる。


『あ?ああ、髪のこと?良いんだよ、青なんてそうないし、綺麗だし』
「そんな理由じゃダメだろ…」


健也は、はぁ、と溜め息をついて俺の前の席に座った。


「お前、部活とか考えてるか?」
『んー?俺は1-B組帰宅部部長になろうと思う』
「…お前らしいな」
『ハハッ、だろ?』


健也とは幼稚園から一緒だ。いわゆる幼なじみってやつ。あ、幼なじみはもう1人いて、1つ上の……


「青汰ーーっ!」
『うぐっ、修二、痛い…』
「ちゃんと来れるか心配したんだからな」
『来れるよ。徒歩10分だぞ』
「ちょっと、俺を忘れるなよ!」
「あ、健也もか」
「なんスか、その薄い反応はっ!」


1つ上の、咲山修二だ。修二は一言で言えば、うざい。でも、大事な兄貴分だ。


「青汰は俺のことそんなふうに思ってくれてたんだな」
『ちょっ、心読むなよ!』
「俺達は以心伝心してんだ。深いところでな」
『うざっ』


修二もある意味ドMだ。うざいドM。

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