04-2 『いった!何するんですか』 「私情に使っても良いが、あくまでこのパソコンは会計用のパソコンだからな!」 『はいはい、わかりましたよ』 そう返事をしながらパソコンを起動させれば、「"はい"は一回だ!」と言ってまた佐久間先輩にチョップされた。そしてそのまま説教らしいものは続く。 「それにな、そのパソコンは鬼道さんが様々なカタログの端から端まで目を通して、お前好みのパソコンをだな…」 「佐久間ぁぁぁああああああっ!!」 佐久間先輩が鼻声で鼻をすすりながらなにか言ってると思ったら、会長の怒声が飛んできた。あまりに予想外の展開に思わず顔を上げると、顔を真っ赤にさせながらすすり泣いてる佐久間先輩と、同じく顔を真っ赤にさせながら怒っている鬼道会長が目に入った。 『えっ、先輩も会長もどうしたんですか』 「どうもこうも佐久間が…」 『佐久間先輩が?なんか言ったんですか?』 俺が聞き返そうとしたら会長は顔を真っ赤にして慌てながら首をブンブンと横に振った。そんな反応をされると尚更気になるのだが。 「もっ、もういいから、佐久間も青汰も仕事しろ!」 会長はそう言って書類に目を戻してしまった。真っ赤な顔は変わらないままだったが、怒りというよりは羞恥の表情に見えた。 『気になるじゃないですかー』 「うぅっ、グスッ…グス…ッ」 俺がブーブー言う隣で佐久間先輩はまだすすり泣いている。 そこに突然ドアが開いて源田先輩が入ってきた。 「鬼道、新入生オリエンテーションの費用、少し上乗せしてもらえるよう頼んで来たぞ」 「あ、ああ、すまない。そうだ、青汰」 『はい』 「源田は去年会計をやっていたから、わからないことがあれば源田に聞け」 『あ、わかりました』 チラリと源田先輩を見れば、やんわりと微笑んで頷いてくれた。やっぱり源田先輩は格好良くて頼りになる人だなと思った。 そんな俺達の様子を見て、鬼道会長が咳払いを一つした。 「よし、そろそろ教室に行け。青汰、放課後ちゃんと来いよ」 『はい…!』 「解散!!」 足早に教室へと向かった。 Just a moment... |