俺を愛でよ! | ナノ


04-1


昨日、粗方説明を受けた後鬼道会長に「明日は七時に生徒会室に来い」と言われた。
のに!起きたのが七時だった。


『やっばい、起こられるー!』


大声張り上げながらとりあえず食パンをトースターに入れる。その間に顔を洗って歯を磨いてシャツを着る。出来たトーストを持って、学ランを羽織って家を出る前に玄関の写真立ての中にいる母さんと目を合わせる。


『俺、仲間が出来そうなんだ。いってきます!』


外に出ると心地良い春風が俺の背中を押した。まるで母さんが頑張って、と言ってくれたみたいに。


『遅れてすみません!』
「遅い!七時と言っただろう」


勢い良くドアを開けるとムッとした顔の佐久間先輩が立っていた。


『すみません』
「生徒会は生徒の見本なんだぞ!いくら新入りの会計係でも生徒会の一員で…」
「佐久間、うるさい」


佐久間先輩がドアも閉めずにグチグチ説教垂れ始めると会長が一喝入れた。


「あ、すみません鬼道さ…」
「青汰、」
『は、はい!』


佐久間先輩の声を遮るように会長が俺の名前を呼んだ。会長に名前を呼ばれると背筋が強張る。流石会長の威厳というかなんというか。


「そんなことはいいから早く仕事しろ」
『あ、はい…!』


急いで自分の机に座って脇にある書類に手をつける。入学式が終わってから主には部活の部費と新入生のみで行うオリエンテーションの費用の管理が会計係の仕事だ。


「青汰、」
『はい、なんですか?』
「生徒会権限で会計係用にパソコンを一台購入した。紙とペンよりだいぶ楽だろう。使え」


そう言いながら鬼道会長はノートパソコンを一台持ってきた。


『これ最新型のじゃないですか!俺が使って良いんですか!!』
「ああ、これはお前のものだ。私用にしてもらっても構わん」


良かった。しかも表面が俺が好きなブルーのメタル質だった。それに、クラック用のパソコンが一つ調子が悪かったのだ。ラッキーなんて思ってニヤニヤしてると佐久間先輩のチョップが降ってきた。


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