02-1 「じゃあ、そろそろ列んでー」 修二と源田先輩が去って間もなく、俺らの教師らしい女が廊下に列ぶように促した。 「なんか、生徒会がうんちゃらって言ってたよな」 『あー、なんなんだろうな』 廊下に出ればほとんどの生徒が列んでいた。なんか、みんな自由な髪型だよな。ほら、一番前にいるちっちゃい奴なんか頭の倍くらい横髪はねてるし…。 『おい、健也!一番前の奴の顔見てみろ』 「あー?……え、顔!?え!?」 凄い小さなソイツは白っぽい顔で目がまん丸で左右違うペイントがつけられていた。仮面か?こんな奴見たことない! 『俺…アイツと仲良くなりたい!!』 「は?青汰、おい!」 好きとか一目惚れとかそんなんじゃなくて、只単に好奇心だった。 一番前にいるソイツの前にしゃがんで、下から見上げるように話しかける。 『なあ、友達にならねえ?』 「君、誰?」 『俺は、江村青汰。お前は?』 ニカッと笑いかけて手を差し出せば、ソイツは仮面の上からでもわかるくらい赤面していた。 「…洞面秀一郎」 『洞面か!宜しくな』 差し出した手に俺より一回り小さい手が触れる。若干湿っていた可愛らしい手をギュッと握る。 「じゃあ、体育館向かうわよ」 見切った先生が少し大きな声で言った。後ろの方にいる健也と合流するために、手を握ったままの洞面を連れて行った。 『じゃーんっ!』 「本当にお前の人懐こさには感心させられるよ」 洞面と繋いだままの手を健也の前に突き出せば、健也がやれやれと溜め息を吐いて笑った。つられて俺と洞面も笑う。 「俺は成神健也。宜しくな、洞面くん」 「"くん"はいらないよ」 |