「不動くん少しかっこよくない?」 「わかるー!クールって感じぃ?」 『……(モヒカンとかモヒカンとか)』 「ちょっと不良系な感じでいいよね」 「百合花もそう思うでしょ〜?」 「ばか、百合花に聞いても無駄だよ」 「鬼道くん一筋だもんね、百合花は」 ケラケラと笑う友人の会話を聞きながら、ぶっすぅとした顔でモヒカン野郎を目で追う。いや、追うっつっても席から動いてないんだけどさ。 『(佐久間と会話しないっつーことは、仲が悪いと見た。)』 ガヤガヤと煩い室内で、思ったのは一つ。 アイツと鬼道さんは一緒にサッカーしてたということだ。 『(う、羨ましい…)』 そして日本代表だったつーことは鬼道さんと面識があるはず。 いや、でも佐久間とモヒカンが仲悪いってことは鬼道さんとモヒカンも仲が悪い…可能性もある。 『(不動×鬼道さんだから…不鬼?…あ、ふどきどか!)』 私は鞄からネタ帳を取り出し、思いついた妄想を書き綴った。 * * * * * 「どうしたんだよ、白井。嫌なぐらい上機嫌だな?」 休み時間終了のチャイムが鳴り響き、クラスメイトの大体は自席へと着いた。 隣は私の宿敵、佐久間次郎。 鬼道さんの参謀とかいう肩書きで鬼道さんの隣をいつもキープしている野郎だ。 私より女顔のくせに!股の下に×××ブラブラさせやがって!! おっと…自重しなくちゃね。 『まぁーね。それより、佐久間アレは?』 「ばっちり撮ってきたぞ。一枚100円で売ってやる。」 『う、売るとか…お前。』 「なんだよ、いらないのか?」 『ばっばか、いるに決まってんじゃん』 だが、鬼道さん好き同士で仲が良かったりもする。鬼道さんの隠し撮り写真を取引しあう仲だ。 「えーじゃあ、今から席替えをする」 いつの間にか教室内に居た先生から軽い口で重大発表をされた。 周りには「やったー席替えだってー!」と嬉々とした声が上がる。 「それじゃあ、名前順で順番にくじを引いていけー」 (席替えという名の運命魔法) |