「今日から日本代表だった人達が、また帝国学園に帰ってくることになりました。」 「佐久間くん帰ってくるって!」 「え?!今日から?」 「嘘でしょ!!マジ?!」 『き、鬼道さんが帰ってくるの?!』 日本代表だった鬼道さん、佐久間が帰ってくると聞けば女子達は黄色い声を上げて喜んだ。 私もその中の一人であった。 驚きのあまり立ち上がってしまったと同時に教室内は沈黙に包まれた。 『せ、先生っ!クラスとかは…?』 私は構わず真剣な眼差しで先生を見つめ質問を投げ掛けた。 女子みんなが気になるであろう日本代表だった二人のクラス!! いや、私が気になるのは帝国学園サッカー部キャプテンである鬼道有人さんのクラスっ! 「あぁ、二名ほどB組に来るらしいぞ」 『両方!!?』 「どうした、白井。鼻息荒いぞ?」 『い、いえ!べべ別に!座りますね!』 あ、自己紹介が遅れました。 帝国学園中学二年生 帰宅部所属の白井 百合花って言います。 趣味は妄想、特技は妄想、運動音痴で女の欠片なんて残ってない乙女です。 あ、因みに賞味期限が切れている乙女でもあります。 「えー、じゃあ二人共入ってきなさい」 ガラガラガラと大きな音を響かせて扉が開く。すると、私の視界には信じがたい人物が映った。 「えーっ、みんなご存知の佐久間次郎くんと不動明王くんだ。不動くんは真帝国がなくなったので帝国学園に編入したそうだ。みんな、仲良くして上げてくれ」 そう、信じがたい人物というのは鬼道さんではなく。モヒカン頭の不動明王という人物だった。 『へ?ぁ、え?…』 驚きのあまり情けない声を連発する私に先生は保健室に行くことを進めた。 『(鬼道さんと私の恋物語は何処?…)』 期待と妄想で膨らんでいた胸を縮ませながら私は涙ぐんだ。 (そっちのアンタは誰ですか) |