拍手log | ナノ


「あっちぃ…」


こんなに暑いにも関わらず、キャプテン達はゲハゲハと騒ぎながら練習を続けている。煌めく汗と眩しい笑顔がウザいほどに輝かしい。

アイツ等が熱気でも放ってんじゃねーの、なんて現実逃避をしたくなる程に不動は暑さにバテていた。


「最近は本当に日差しが暑くて仕方がないな…飲むか?」


流石に蒸れて暑いのだろうか、ゴーグルを外した鬼道が不動に飲み物を差し出せば隣へと腰を下ろす。


「珍しいじゃん。」

「顔を洗ってきただけだ。」

「フーン…」


そう興味なさそうに言ってペットボトルに口を付ける。
ふと、間接キスなんて言葉が不動の頭に浮かんだが相手はそんなことちっとも意識していないだろうと思えば少し虚しさが込み上げた。


「ん、ありがと」

「あぁ…どういたしまして」


ちょっとの距離、ぎこちない会話。
少し特別な関係となった二人だが、それと同時に少し離れてしまった。

空白に不動は焦り思考を巡らせる。ぐるぐると話題を探せば出てくるのは戦術、この前のミーティング、次の試合、スムーズに話は出来るではあろう。


「(…そういうのじゃなくて)」

「不動…」

「な、なんだよ?」

「日陰行かないか?」

「…別に、良いぜ」


手を差し出す。
きょとんとした顔をした鬼道を見れば照れたように不動は笑った。
赤く頬を染めればきゅっ手を握り返す。


「…すぐそこだろう。」

「う、うるせーな」




シャイシャイボーイ
(中学生男子の健全なお付き合い方法)