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少し、現実味のないお話をしましょう。
私の身に起きた信じられない出来事と不思議な恋のお話−−−。


「今日、帰り暇?」
『うん、別に暇だけど』
「じゃあさ、彼氏にあげる誕プレ一緒に選んでくれない?」
『あ、うん。いいよ』


今日は夕方から他の子と約束があったんだけど、必然的にこっちが優先だ。私、來夢は頼まれると断れないという性分にプラス人見知りという厄介な性格の持ち主だ。今、私を誘ったのはクラスのリーダー格である子。故に必然的にこちらが優先になる。急いで先約の子にメールをした。


『−−ごめん、急用出来たから遊べなくなっちゃった』
「−−そっか、じゃあまた今度」


断りのメールを入れ、一段落の溜め息を吐く。
放課後のチャイムが鳴ってみんな帰りの支度を始める。彼女は掃除があるらしく、下駄箱で待つことにした。


「ごめん、お待たせ!」
『あ、大丈夫だよ』
「行こっか」


普段あまり会話をしない上、私が人見知りな故、店までの時間は非常に気まずいものだった。まず、どうして彼女は私を誘ったのだろうか。


「あ、ここよ」
『わぁ…』


悶々と考えていると彼女が足を止めて、店内がキラキラしたお店の入り口を指差した。エンジェルジュエリーとかかれた電光看板は比較的新しいもので、煌々と輝いていた。店内に入れば、外よりもキラキラしていて思わず感嘆がもれる。店員の挨拶なんて耳を通ってそのまま抜けてしまうくらい、夢中だった。


『彼氏さんに何あげるの?』
「えっと、ブレスレットにしようかなって思うんだけど」
『そっか』


ブレスレットが置いてある棚を見ると、ある二つのブレスレットが目に入った。水色と紫っぽい黒色の対になってる太めのブレスレット。例えていうなら、光と闇。よく見ると小さい宝石かラメが入ってるいるようで時折チラチラと輝いて見えた。


『綺麗…、』
「來夢、こういうの趣味なの?」
『キラキラしてるじゃん』
「えっ、見えないんだけど」


本当に見えていないらしく、怪訝そうな表情をして首を傾げていた。私にはこんなに綺麗に見えるのに。


「あ、これ素敵!」
『決まった?』
「うん、これにする」
『私、このブレスレット買おうかな』
「気に入ったんならいいんじゃない?」


始まりはこのブレスレットからだった。
私はこの時、吉と出るか凶と出るかはわからなかった。





それは偶然か必然か
(わかる者など居らず。)


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