act.1 new!
高校を停学も退学もなく無事に卒業。人間為せば成るものだ。

喧嘩沙汰はご愛敬だが、卒業できた今となっては笑い話。


ずっと好きだった幼馴染に卒業式で告白すれば「私も」と言われた。
人生これ以上良い事はもうないんじゃないかと思うぐらいの良い事だらけに琉夏は春から浮かれっぱなしだった。

浪人という身分は多少アレだが、同じ大学に行けるように勉強中。
励ましてくれる恋人がいればそんな身分も悪くない。

『ああ、俺ってなんて幸せ』


たった一つを除いては――――




付き合って3カ月。

そろそろ世間のカップルなら体の関係の一つもあって良さそうな時期。

なのに琉夏と美奈子は気持ち悪いほどに清らかな関係だ。
唯一それらしい事と言えばキスぐらいだろうか。

最近はやっと5分以上抱きついていても怒られなくなった。
何故5分かというと、それは琉夏が限界だから。

きっと5分以上くっついていたら無理矢理にでも犯してしまうだろう。




相変わらずスキンシップの多い生殺しのようなデートが終わって家に帰ると、考えるのはいつも美奈子のことばかりだった。



無邪気な美奈子はガードが固いくせに今日も短い膝上スカートにニーソックス。もはや兵器だ。


『ハァ…今日も俺、よく我慢した…』

琉夏は一人暮らしのアパートのベッドにドサリと身を投げると、大の字になって天井をボンヤリと見つめた。


自信がないわけではない。しかし無理矢理だったり、自分の一方的な満足で大事な彼女の”初めて”を済ませたくないだけだ。

そんな健気な琉夏も仏や僧侶ではなく、ごくごく普通の健康な一般男子。やはり性欲は抑えられず自ら発散させるしかない。

『今日の美奈子、可愛かったな…』

今日の自分に向けられた彼女の笑顔を思い出すと嬉しくなる。
そして、座った時に見えたスカートとニーソックスの間の白い太股を思い出すと腰の辺りが疼き始める。

『イタズラだって言ってちょっとだけでも触ればよかったなぁ』

後悔しながらフッと琉夏は瞼を閉じると、瞼の裏でさっき思い出した美奈子の綺麗な太股にそっと手を這わせた。

きっと柔らかくて、すべすべしていて気持ちいいはず。
内股に沿ってスカートの中に手を進める所まで妄想すると、自然と手が自らの下半身に向かう。

ズボンを下着ごと下ろし、とっくに立ちあがっている根をそろりと握りゆっくり上下に扱くと気持ちよくてふわふわと宙を浮いているような気分になる。


脳内で差し入れたスカートの中の手はやがて下着の割れ目に突き当り、美奈子の気持ちいい所をじわじわと刺激するはず。
きっと美奈子は「んっ…やだぁ…」とか言って身を捩って割れ目に蜜を垂らす。
いやだと言われて「はいそうですか」とやめる男なんて早々いないだろうからやめてやらない。
下着の横から指を入れて蜜が出る部分に指をぬるりと入れて掻き回すとまた一層甘く美奈子が喘ぐ…、


というシーンで無意識に速度を上げた右手はゴシゴシと乱暴に根を扱くと亀頭から垂れた汁で動かす度にぐちゅぐちゅっと音がする。

「美奈子…美奈子…」

夢中で扱くと射精感が凄い勢いでで追いかけて来てあっと言う間に自らの手の中にどぷりと放った。


「・・・・またやっちゃった」


ティッシュを数枚取って何事もなかったように始末をすると、吐き捨てた精液と一緒にさっきまでの美奈子への厭らしい欲望も一緒に投げ捨てた。



いつになればこの虚しさから解放されるのだろう。
もし、いつか美奈子を抱く時が来てもきっと一人の夜はこうして自分を慰めるのかもしれない。

その時と今とではどれだけ気持ちが違うのだろう。


まだ見ぬ美奈子の全てを思ってまた瞼を閉じた。



次のデートこそ、きっと。

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