<後>
今、自らの根が何の隔たりも無く美奈子の中にズブズブと押入る様を見ながら琉夏は射精感と戦っていた。
一瞬でも気を抜くとすぐにでも果ててしまいそうだ。

ゴムをつけている時とは全く違う。
柔らかく、それでいてギュッと締めつけられる。できる事なら一分一秒でも長く中を味わっていたい。

ぐちゃぐちゃと卑猥な水音とパンパンと肌のぶつかる乾いた音がよけいに
2人を興奮させた。すぐに抜こうと思ったが、もう後戻りできそうにない。

「美奈子の中…はあっ、すげっ…ぬるぬるして…柔らかくて…ヤバイ…」
「るかぁ…あっ、あっ、だめ、もうっ…」

どうやら琉夏より美奈子の方が先に達してしまいそうだ。振っていた腰をピタリと止めると、琉夏は美奈子の目隠しのタオルを外してやった。
突然明るくなった視界に目が慣れず、恐る恐る目を開けると頬を高揚させ、うっとりした表情の琉夏がジッと美奈子を見つめていた。

「やっぱさ…オマエの目見ながらイきたい」

そう言って美奈子の頬をゆっくり撫でると、また腰をゆるゆると前後に動かし始めた。

「今日ゲーセンで話してた奴、オマエのこんな顔、知らないよね?」

琉夏は焦らすようにわざと根の先端だけを前後に抜き差ししながら問いかけた。

「けんちゃん…?し、知ってるわけないよ!だって…琉夏とだけだよ?」
「本当?俺だけだからね、絶対。じゃあ言って…俺だけだって」

そう言うと突然”ズン”と、根を奥まで乱暴に押し込み、またピタリと動きを止めた。

「あんっ!ちょっ、ちょっと…やだあ!」

イキそうだったのに途中で止められたり、また強い快感を一度だけ与えたりされて美奈子はもう限界だった。

「言って?言ってくんなきゃ俺、動かないよ?」
「そ、そんな…こと…」

どうやらここは素直に従うしかなさそうだ。美奈子はヤキモチ妬きの恋人を腹立たしく思う反面、必至で自分だけだと言ってくれと懇願する琉夏を愛しく思った。

その気持ちに、答えてあげたい。

「る、琉夏くんだけだよ。だから…お願い。もっと…」
「…っ!」

一瞬、美奈子の中に収まっている根がドクンと大きく脈打った気がした。ふと、琉夏を見ると何か必死に耐えているような苦悶の表情を浮かべている。

「自分で聞いといてアレだけど、今…イキそうになっちゃった」

苦悶の表情のまま口角を上げてニッと琉夏が笑うと、美奈子の体に重なるように琉夏が覆いかぶさった。美奈子の耳元に顔を寄せているのでもう表情はわからなくなったが
琉夏はハァハァと苦しそうに大きく息をしている。

「俺…もう…無理かも…」

琉夏が低く囁くと、止まっていた腰がまた動き始めた。さっきまでのゆっくした動きではなくガンガンと最奥に向かって乱暴に突き立てられる。今まで何度とくなく琉夏とSEXしてきたが、今日のような快感は美奈子も初めてだった。
にゅるりとして柔らかく、それでいて熱く大きな琉夏の根が蜜壺を往復している。

「る、るかぁ!わ、わたし…も、だめぇ!あっ、あっ」

果てる準備を始めた美奈子の中はぎゅうっと激しい収縮を始めた。隙あらば外に出して射精しようと思っていたがこんな風に咥えこまれてはそれも叶いそうにない。

もう、腹を括るしかない。

琉夏は重ねていた体を少し離して、両手を美奈子の顔の両側につき、顔が見える体制にした。

「・・・・いくよ?」

直後、ものすごい速さでパンパンと打ち上げた。

「ああっ、るか!あっあっあっ、そんな…ダメだって!痛っ…ああんっ!」

全く美奈子を気遣わない動きにストップをかけようとしたが琉夏は目を閉じたまま夢中で腰を振り続けている。しばらくピストンに合わせて美奈子があんあんと喘ぐと、琉夏は自分の背中がぶるっと震えるのがわかった。

「美奈子…俺、イク…!うっ――」
「るかあっ…あっ…」

びゅるびゅると精が子宮の中に流れて行くのがわかる。中で出してしまったことへの罪悪感に琉夏は”しまった”と思ったが、それもつかの間。すぐに一呼吸遅れて果てた美奈子の中が収縮し、イッたばかりの琉夏を今度は搾り取る用にぎゅうぎゅうと圧迫する。

「ちょ、待って!美奈子!はあっ…今ヤバイ」
「ふえ?な、何?わ、わたし…何もしてないよ…」
「無自覚か…困ったお姫様だな」

ちゅぽんと根をゆっくり抜くと、美奈子の中でこれでもかと搾り取られてぐったりした自らに(お疲れ様)と心の中でねぎらいの言葉をかけた。

体を拭いて少し落ち着くと、琉夏は美奈子の両手を縛ったネクタイを解いてやりながら
伝えなければいけない重要な事があったのを思い出した。

「美奈子…ゴメン。さっき…ゴムしてなかった」
「もう!琉夏のバカ!」

拘束された両手が解放されたとたんにそんな告白をされて美奈子は
ポカポカと琉夏の胸を叩く。

「ゴメン、何かあったらさ、俺――」
「…じょうぶ」
「え?」
「たぶん、今日は大丈夫だよ。あ、でも次からは絶対許さないからね!ちゃんとつけること」
「はぁい」
「わかればよろしい!」

そう笑う美奈子を見ながらも、琉夏は今の自分の立場を思うと生きた心地がしない。いつか、自分が責任を取れる立場になった時、堂々と生でヤリまくれば良い。それまでの我慢だと自分に言い聞かせた。そしていつか家族になりたい。

「でもさ、今日のオマエの中凄かった…俺、抜けなくなっちゃうかと思った」
「な、なにそれ…!もう!」
「ホント、ホント」

そう言うと、美奈子を抱き寄せて、唇にチュッチュッと何度も吸いついた。
縛って彼女の全てを束縛したつもりが、身(下半身)も心も縛られてしまったのはどうやら自分の方だと琉夏は思った。名残惜しそうに美奈子の唇から離れるとボソッと呟く。

「こういう束縛、悪くないね。俺、クセになっちゃいそう」

意味がわからず?を浮かべる美奈子にもう一回、チュッとキスをした。







すっかりお腹を空かせてしまった琉夏のために美奈子はキッチンに立ってホットケーキを焼いている。琉夏はそれをウキウキしながら大人しく待っていた。

いいにおいがいっそう強くなったのは出来上がった合図。
琉夏の目の前に焼き立てのホットケーキがお皿に盛られて
出てきた。もちろん、メープルシロップがたっぷりかけらて。

「はい、どうぞ」
「うまそう…いただきまーす」

フォークで器用に突き刺してモグモグと高速で口に運ぶ琉夏を見ながら美奈子は喉に詰まらせやしないかと呆れ顔でその様子を眺めた。ふとテーブルに目線を落とすと、そこには琥一が残した例のメモがあった。

「そう言えば…琥ちゃん何て書いてたの?」
「ん?ああ、これ?」

琉夏はコーラをペットボトルごとゴクゴク飲みながら片手でプリントを取るとペラリと美奈子の目の前に掲げた。そこにはお世辞にも綺麗とは言えない文字で殴り書きされてあった。

『テメーが謝れバカルカ 雨が止んだら送っていけ』

いかにも琥一らしい書き置きに、美奈子は思わずプッと吹き出してしまった。そして、琥一の気遣いに嬉しくなる。

「琉夏は良いお兄ちゃんを持って幸せだね?」

美奈子が頬杖をついてニコニコと笑うと、
飲んでいたペットボトルを口から外して琉夏もつられて笑った。

「でしょ?良いお兄ちゃんと可愛い彼女がいて、俺超幸せ」

その後、ホットケーキを平らげて、半乾きの服を着た美奈子をバイクで家まで送った。外はさっきまでの雨が嘘のように止み、星がキラキラと輝いていた。

到着すると、美奈子の母に挨拶をして雨で濡れた服が乾かなかった事を報告すると
「大変だったでしょう?ごめんなさいね」とずいぶん恐縮されてしまった。
まさかお宅の娘さんにあんなプレイしましたなんて言えずに
何だか気まずい気持ちになりながらも手土産までもらってしまった(おばさん…ごめん…)

West Beachに帰ってくると、明りがついていた。琥一がバイトから帰ってきてるのだろう。

「ただいま」
「おう」

琥一はソファでバイク雑誌を見ながら顔もこちらに向けない。『仲直りしたか?』などと根掘り葉掘り聞かずにいるがきっと内心どうだったか気になってしょうがないのが
琉夏にはわかっている。

「なあ…コウ」
「あ?」
「SMプレイもたまにはいいな。俺、目覚めたかも」

それを聞いた琥一は読んでいたバイク雑誌をものすごい勢いで琉夏の顔をめがけて投げつけた。

「うるせぇ!うちはラブホじゃねーんだよ!今回だけからな!」
「羨ましいんだろ、コウ!」

投げられた雑誌を受けて止めてまた琥一に投げ返すと、いつもの兄弟喧嘩のゴングが鳴り、狭い部屋での追いかけっこが始まった。

「んだと、コラァ!待ちやがれ!」
「コウが新人の歓迎会だって?笑っちゃうね!一回もそんなのダリィって行った事ないくせに!」
「ウルセー!俺だって気まぐれで参加すんだよ!」
「お兄ちゃん怖えー!」
「待てっつってんだろコラァ!」

わあわあと賑やかな雨上がりの夜。

琥一に追いかけまわされながら琉夏は明日の予定をこっそり考えていた。

きっと明日は晴れるだろう。今日のお礼も込めてコウとアイツと3人デートも悪くない、と。


おしまい。





【あとがき的な】

なんかえらい時間かかりました。SMというかソフトSMだと思って下さい。てかそうなんです!色々お見苦しい点、あったかと思いますが私の限界です。幻海ばあさんじゃないよ!

まあ何が言いたかったかというと、嫉妬でバンビを縛った琉夏は実は自分のティン●はバンビに縛られていましたとさ、おうふ…っていう事でした。

ちゃんちゃん☆

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