お腹減ったなぁ。


きゅるる、と空腹を知らせる様に鳴ったお腹に手を当てながら、ぼーっと空を見上げた。
空はもう赤く染まりきっていた。
練習も終わり、疲れたあたし達を待っているのは美味しい夕飯。
今日のおかずは何だろ…、そんな事を呟くと、近くにいた吹雪弟――アツヤに苦い顔をされた。


「お前な……
女が腹鳴らして平然とンな事言うなよ」
「あ、ごめんごめん」


アツヤは兄の士郎と違って、女の子の扱いに長けていない。
寧ろ下手だ。下手すぎる。
あたしは仲間だからまぁいいんだけど。
でも一応女として認識されていたのか。意外だったなぁ。
兄貴ならまだしも。

あぁ、話は凄く変わるけどアツヤのマフラーって綿飴みたいで美味しそう。
きゅ。今度は控え目にお腹が鳴った。
おかず……何だか海老フライが食べたい気分だ。
夏未を主にして作る時はほぼカレーだからなぁ。
再びぼーっとしていると、後ろから円堂の声がした。

危ない!!
――……危ない?

反射的に振り返る。
アツヤも首だけ回して振り返った。
物凄い速さでボールが此方へ向かって来るではないか。これは大変だ。
いち早く動いたのはアツヤで、あたしの前に出ようとした。
が、あたしはそのアツヤの両手を握り締めた。
一瞬アツヤの目が見開いた、気がした。

しかしそんな事はお構い無しだ。
そのまま上に持ち上げ振り回し、手を離す。
すると必然的にアツヤは思い切り飛ばされる訳で。
アツヤのお陰でボールは見事真っ直ぐに円堂の元へ帰って行った。


「ナイス塔子!!」
「サンキュー円堂!」
「ナイスじゃねぇよぉぉ!!!」


急にそんな事するなよ!!しっ、しぬかと思ったじゃねぇかぁあぁぁ!!!
半ば涙目でそう叫んだアツヤの手は、お尻の方に回っていた。
あ、痛かったのか。

ごめんごめん、と言ってお尻を撫でてやると、うひゃあ!と言って飛び上がって、おおぉんながそそんなことするばかやろぉ!!なんて叫んで、あたしから距離を取ったのだった。

気にするなよなー!と笑うと、アツヤはダッシュで逃走してしまった。
あはは、アツヤって面白い奴だよね。











(トカチェフボンバーの場合!)
(…あ、逆かぁ)


(しろ…お、俺…)
(はいはい、泣かないの)












→珍しい組み合わせ。
単にトカチェフをアツヤにやらせたかっただけ。
キャラ崩壊ごめんなs(ry


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テーマ「人外ファンタジー」
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