「……いかないでください」




何処に、行くなと言うのか。この帝国以外、俺には行く場所など皆無に等しいと言うのに。
佐久間は、俯きながらそう言った。足下を真っ直ぐ見ているから、よく表情が窺えないが、声のトーンからすると、これは真面目な話なんだろう。
俺の返事も聞かず(返事と言える事を言えるかは分からないが)、佐久間は続けて言う。
此処で、一緒にサッカーして下さい。
あぁ、と俺は頷いた。三年間優勝しなくてはならないから此処から離れるつもりは毛頭無い。
しかし佐久間は首を振る。
もし優勝し続ける理由が無くなったら?
……そんな事は、あるのだろうか。恐らく、無い。




「俺、後悔したんです」
「どうして引き留めなかったのかとか」
「どうしてもっと練習しなかったのかとか」




さくま?




「でも、一番言いたかった事があります」
「鬼道さん、」







「おねがい、おいていかないでください










→時期は雷門と練習試合する前辺り。サブタイトルはもし未来(真帝国)から佐久間が来たら
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