ジュンス


「南緒っ!3/25、僕の実家に集合!」


突然、そんなメールを入れてきた男
キム・ジュンス
相手の都合も聞かず迷惑な奴だ
そして何時に行けばいいかも書いてない
一日ジュンスの家にいろと?(笑)


『いやです』
「だめです、19時に来てに〜」
『文字を打ち間違えてるので嫌です』
「あっ、それは愛嬌ってことで…」
『しょうがないなぁ…いってあげます』
「うはは!南緒ありがとう〜、
 じゃあ25日待ってるから!」


25日って明後日なんだねぇ…
土曜日だから私は仕事が休みだし行けるけど
あのジュンスがそんなこと考えているとは
思えないんだけど…(笑)
でも可愛い服を着て行こう、こないだ買った
春の新作のとびっきり可愛い服
ジュンスの隣を歩くのにふさわしい格好で…
少しでも"幼馴染"の南緒じゃなくて
一人の女の子として見られたいから…


その後私は美容院とネイルの予約をして
25日に万全の準備を出来るようにしておいた




そして25日
18時55分にジュンスの家に着く

ぴんぽーん


「はーい」
『ヤー!ジュノヤ!久しぶり〜』


出てきたのはジュンスの双子、ジュノ
実はジュノに会うもすごく久しぶりで…
この双子揃ってSM事務所に所属しているから
毎日なんだかんだ忙しくしてるんだよねぇ…
私も仕事があるから自由な時間を簡単には
作れないし、会えずにいた


「久しぶり南緒、相変わらず可愛い服
 着て、おしゃれさんだね〜?」
『え?そうかな?//// ありがとう』
「南緒〜!ちょと待ってて〜」
「ジュンス急いで準備してるからさ(笑)」
『あの慌てた声聞いたら分かる(笑)』
「はは、さすが南緒^^ 」


ジュノと5分ほど玄関で話していると
ジュンスがやっと来た


「お待たせっ!わ、南緒の服可愛い
 こないだ出た新作のやつ?ゆちょなが
 南緒に似合いそうって言ってたけど
 本当に似合ってる!ゆちょなに写真送るから
 一枚撮らせて!いいでしょ?」
『ちょっ、ちょっと待ってよ!』
「はい、ちーず」

カシャッ

『え、なに、ほんとに撮ったの?』
「うん、可愛く撮れてるよ!
 ゆちょなに自慢しよ〜っと♪」
『もういいって!////』


なんだか照れるから辞めて欲しい(笑)
それにしてもジュンスだってかっこいい服着て
今日はディナーにでも行くのかな?
ちゃんとした服、着てきて良かった…(笑)
あ、私もお返しに…


カシャッ

「あ!何撮ったの!?」
『へへーんだ^^ お返しに撮った(笑)』
「誰にも送らないでよっ!」
『送らないよ(笑)』
「もう…行くよ南緒」
『うん(笑)またね、ジュノ』
「また遊びに来て」
『うん、来るよ〜』


ジュノに手を振って別れを告げた後
ジュンスに手をひかれて駐車場へ


『今日は誰が運転するの?』
「僕がするから、南緒は助手席座って」
『ありがとう』
「ご飯、まだでしょ?食べに行こう」
『うんっお腹ぺこぺこだよ』
「うはは!予約してあるからすぐ食べれるよ」
『わざわざ予約してくれたの?ありがと』
「今日は特別だから」
『今日?なんかの記念日だっけ?』
「……考えて〜」


えぇ?考えても出てこないんだけど…
ジュンスのヒントに全くなっていないヒントを
もらいながら真剣に考えるが出てこない…
そして結局、正解を当てることが出来ないまま
ジュンスの予約してあるお店まで来てしまった


「思い出したら教えてな〜?(笑)」
『もう無理だよ〜』
「いらっしゃいませ」
「予約してるキムです」
「お待ちしておりました、個室をご用意して
おります、こちらへどうぞ」


個室はすっごく落ち着いた雰囲気で
ジュンスがいつも選ぶお店とはなんだか少し
違うみたいで…少しだけ緊張した
ファーストドリンクは予約時に決めていたらしく
すぐに運ばれて来た


「さ、南緒乾杯しよう」
『あの…ジュンス…』
「ん?」
『中になんか入ってるんだけど…』
「え!?」


ジュンスが慌ててドリンクを見る
そう、中には指輪が入っていた…


「だー!今じゃないのに!!」
『え?何?どういうこと?』


顔を真っ赤にさせたジュンスが
観念したように話し出してくれた…


「今日は、南緒と出会った日なんだ
南緒が引っ越して来た日」
『あぁ…そういえばそうだったね(笑)』
「決めてたんだ、告白するなら今日って」
『告、白…?』
「……(こくり)南緒好きだよ
今まではずっと幼馴染として側にいてくれたけど
これからは恋人として、側にいてくれない?」


サプライズは失敗しちゃったけどさ
そう言いながら照れて笑うジュンス

そんな彼がとても愛おしくて…
私はそっと薬指に指輪をはめた




→ユチョン

[ 5/15 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]