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一年ほど働いたある月。
今日も土曜日がやってくる
でも今日はいつもの土曜日と違った

ジョンウンオッパ目当てに来た
お客さんの中の一人が写真を撮った
途端にオッパは怒って裏に帰ってしまった

周りの人たちは写真を撮った人たちに
怒っているけど、その人は外国の方のようで
ルールも言葉も知らないようだ…
みんなに言われてもきょとんとしてる
それを見てみんなは反省してないと思い
さらに反感を買っている…
このままだと収集がつかない


『あの…落ち着いてください
韓国語が分からないんだと思います…』


確かにその子はネパール語しか
分からないようで、一度でいいから
憧れのジョンウンオッパを見たかったそうだ
(お客様の中にネパール語が分かる人がいた)


私は裏に戻りジョンウンオッパに説明した


『オッパ、お願いします。はるばるオッパに
会いに来てくれてるんです。ちゃんと別の
お客様が説明してくれて分かってくれました
もう一度だけレジに立ってくれませんか?』
「………はぁ。写真を消すならいいよ」
『ありがとうございます!
もうちゃんと消してもらいましたよ』


私はオッパを連れてレジに戻った

みんなが大喜びで嬉しそうにする
女の子は泣きそうな顔をしながら
「みあなむにだ…」と謝っていた


それからはオッパも閉店までレジと
喫煙室の間を行ったり来たりしていた


「南緒、閉店作業手伝うよ」
『大丈夫ですよ、オッパ…』
「……今日は俺の誕生日なんだ」
『そうだったんですか?どおりで今日は
大勢の人がお祝いの言葉を…
あぁ、なんで私きづかなったんだろう?』
「南緒はプレゼントくれないの?」
『……ごめんなさい、用意してなくて…』
「欲しいものがある」
『何ですか?私で用意出来るなら…』
「南緒」
『はい?』
「俺…南緒が欲しい」
『……えっ?!』


な、なんて…?


「顔真っ赤」
『オッパが変なこと言うからっ!』
「俺、南緒が好き
我慢しておこうと思ってたけど…
今日ハッキリした。南緒好きだ
俺だけの南緒になってくれない?」
『オッパ…もちろんです』


私とオッパは無事に恋人になった
オッパの正体、イェソンについて
知るのはまた別のお話……




Fin

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