チャンミン


「南緒、明日はー」
『あ〜ごめん。明日は忙しい
キャッチ入ったから切るね、ごめんね』
「あっ、ちょっと」

ガチャッ、ツーツー…


電話のブチ切りは僕の得意技だったのに。
最近は南緒から切られる。
前もキャッチが入ったからって切られたし
その前は来客があるからって切られた…

南緒は誰と会ってるの?
いつも誰かと電話しているの?
聞いても教えてくれなくなった。
前は聞かなくても話してくれたのに…


明日は南緒も休みだよな…
家に行ってみるか…
僕の家の合鍵も、南緒の家の合鍵も
お互い渡してあるから、いなかったら
差し入れのデザートでも入れて帰ればいい。
南緒の好きなシュークリーム
買って行ってあげたら喜ぶはずだし。


僕はお昼頃に南緒の家に
アポなし突撃訪問することに決めた。
電話を切った南緒が悪いよね?

でも次の日、心の底から僕のこの行動を
恨むことになるとは微塵にも思わなかった



南緒の大好きなシュークリームと
僕の大好きなケーキを買って南緒の
家に急ぐ。南緒…いるかな?


試しにドアノブをひねってみる
……開いてる…
不用心だな、南緒は。
後で注意しておかないと…


「南緒ー?入るよ?」


返事はない
寝てるのか?
いや、違う…
かすかに聞こえる南緒の楽しそうな声と
僕の知らない男の声……


「南緒…?」


凄く不安になって南緒の名前を呼ぶけど
南緒は全く気が付かない…
とうとうリビングの前まで来てしまった


『飲み物取ってくるね〜♪♪』
「おう」

ガチャッ

リビングから出てきた南緒と目が合う


『…!チャンミン…』
「南緒…どういうこと?誰?」
『何が?っていうか勝手に来ないでよ。帰って』
「彼氏なのに来ちゃだめなの?お?」
『なにそれ。彼氏だったら勝手に
部屋に入っていいと思ってるの?最低……』
「でもっ!」
『とにかく帰って!自分の都合ばっかり…』
「南緒、」
『私、彼が好きなの。彼と生きていく。
……別れてチャンミン。合鍵もおいて帰って』
「……分かった。」


合鍵も、二人の写真も置いて出て行く
二人分のデザート…ユノヒョンと食べようか
キュヒョナを誘うのもいいな…


僕はやっぱり南緒が好きで
心までは簡単に置いて来れない。
願いが叶うなら、二人笑いあっていた
あの頃で 時ヲ止メテ …。



→ヒチョル

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