21

だれ…?
私の名前を呼んでいるのは…?
リリー…?

ここは…夢の中…?
あぁ、久しぶりに予知夢でも見ているのかしら?
誰の夢?良い夢だと良いけれど…


「エリー・エバンズ?」
「え?」
「捕まえて」
「きゃっ!何!?なんなの!?」


リリー!
私じゃない!
リリーをどこに連れて行く気!?


「…っ、ここはどこ…?」
「正直に答えなさい。あなたとシリウスの関係は?」
「は?何を言っているの?関係?ただの友達よ!」
「言ったはずよ。正直に答えなさいと。」
「本当よ!寮が同じってだけだわ!」
「ホグズミートであなた達が腕を組んでいた情報があるのよ?」
「ただの友達が腕を組んで歩くの?」
「ホグズミート…?何を言って……!」
「あなたがその気ならこっちにも考えがあるわ。やって」
「いたっ…何するのよ!」
「正直にならせてあげようと思ったのよ」
「こんなことして…先生方が黙っていないわよ!」
「はんっ。先生方?どうして気付くっていうのよ」
「そうよ。誰もあんたなんか探しにきやしないわよ!」
「それはどうかしらね?」
「生意気ね…!(パシンッ)」
「…っ!」
「いいこと?あんたみたいなマグル生まれと
 純血一族のシリウスじゃ家の位が違うのよ」
「分かったらもうシリウスに近づかないで」
「そうよ。私達のシリウスなのよ」
「…?外が騒がしいわね。見て来て頂戴」
「はい。……!?す、スラグホーン先生!?」
「君達はこんな所で何をやっている!?」
「本当に先生が…?!」
「ねぇ、良い事教えてあげる。あなた言ったわよね?
 正直に言いなさいって。私はずっと嘘はついていないの。
 だって私はリリー・エバンズ。人違いよ。」
「ちっ!裏から逃げるわよ!」
「リリー!?平気かね?」
「先生、ありがとうございます…」
「さぁさぁ。医務室に行こう」





「エリー…?」
『……っ!?じぇーむず…?』
「大丈夫かい?随分うなされていたけど…」
『わ、私…寮に戻らなきゃ…』
「どうしたんだい?」
『リリーに会わなきゃ!』
「え?エリー!ちょっと待ってよ!」


ジェームズの言葉も聞かず、必要の部屋を飛び出した。
起きてからもずっと胸がざわついている。
リリー、大丈夫なんだよね?
寮にいるよね…?リリー……




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