ホグワーツの生活が始まって三ヶ月。

私とリリーに勉学の差が出てきた。
リリーは薬草学が得意で、先生に褒められている。
スラグホーン先生が言うには素質があるんだって!

私は闇に対する防衛術が得意。
あと変身術はとても好き!
好き過ぎて図書室で本を読み漁ってるくらい。
将来はアニメーガスにも挑戦したいと思ってるわ。
上級魔法だから今の私にはまだまだ無理だけど…
それと…闇の魔術。
もちろんはまる気はないけどちょっと興味はある。
こんなこと言ったらリリーに怒られるけど(笑)


「リリー!!!」
「気安く呼ばないでちょうだい!ポッター!」
『懲りないわね、ポッターも』
「近寄らないで!いきましょうエリー」
『じゃあね〜(笑)』


もうこのやり取りはほぼ毎日行われている。
ポッターはリリーのことがとても好きらしい…
見た目が同じ私でもだめなんだから
きっと本当に好きなんだろう…
今のところリリーと私の見分けがつく人は
セブと校長とあのポッターだけだ。
リーマスは呼ばれ方で分かるそうだけど、
見分けがつくということにはならないでしょう?
そう考えると愛のパワーってすごい……
いや、ポッターがすごいのかしら?(笑)


「毎回毎回、目障りだわ!!!」
『ほんと愛されてるね、リリー(笑)』
「笑い事じゃないのよエリー…
 私は本当に嫌なのよ!あんな傲慢なやつ!」
『最近…セブにもちょっかいかけてるみたい』
「そうね…セブに確認するべきだわ。
 何かしてるのであれば、許さないわ」
『セブ元気かな〜?最近会えてないな』
「新しいお友達が出来たみたいだから…
 あまり良くないお友達みたいだけど…」
『そう、それは心配ね』
「えぇ…セブなら大丈夫だと思うけど…」
「エバンズ」
『「なに?」』
「あー…リリーの方に用があるんだ」
「あら、何かしら」
『先に大広間にいってるわ』
「えぇ、また後でね」


告白、かな?
ホグワーツに入って2人目…
いや、ポッターを入れると3人目。
リリーは可愛いからなぁ。
私と違ってきゃぴきゃぴしてるし…

廊下を歩いていると後ろから背中を叩かれた。


『わっ、』
「一人か?」
『シリウスこそ一人で何やってるの?』


シリウスにfamily nameで呼ばないでくれと
頼まれた日から私はシリウスと呼んでいる。
それにはじめのコンパートメントでのやり取りは
少し誤解があったようなので、話はする仲だ。
リリーはシリウスも嫌ってるけど…


「リーマスとピーターは医務室。
 ジェームズはエバンズを追いかけていった。
 俺はめんどくせぇから先に大広間ってわけ」
『ポッター追いかけて行ったの?悪趣味』
「あいつはそれだけエバンズのことが
 好きってことなんだよ、分かってくれ」
『だからってセブをいじめていいわけ?』
「…いじめてねぇよ、悪戯してるだけだ。
 悪戯の相手はいつも不特定多数だぜ?
 確かにスリザリン生が多いけど…?」
『本当でしょうね…?』
「本当だよ、最近はジェームズと2人で
 新しい悪戯グッズ考えたから色々試してるんだ」
『セブルスをいじめるのはやめてよね』
「だからいじめじゃないって」
『ならいいのよ。わっ、今日も相変わらず
 美味しそうな朝食ね…どれにしようかしら』
「シリアルだろ?」
『そうね、チョコシリアルだけは外せないわ!』
「ほら」
『あら、ありがとうシリウス』
「英国紳士なら当然だな」
『誰が英国紳士ですって?』
「どう考えても俺だろ」
『はぁ?』
「そんなきょとんとすんなよ!//」
『恥ずかしいなら言わなければいいのに』
「るせぇな///」


シリウスとはたまにこうやって話す。
主にリリーがポッターに絡まれてる時。
最近、ポッター達は四人で行動しているから
ポッターがリリーを追いかけ回してる間
本を読むか、彼らと話すことが多い。
すぐリリーがポッターを瞬殺するから
そんなに長く話はしないのだけれど、
だいたいみんなの性格が分かって来た。
(そりゃ三ヶ月もすればね(笑))


でも最近リーマスは月に一回体調を崩すようで
少し心配してる…なんだか同じような時に
体調を崩してるような気がするけど…
あぁ、そういえば明日は満月だ
リーマスを誘ってお月見でもしようかしら?
リーマスの好きな甘い物を持って…
少しは気分が良くなるかもしれないわ。


「エリー、ブラックとご飯食べちゃったの!?」
『あ、ごめんね、リリー…先に食べちゃった』
「じゃあリリー!僕と食べようか!」
「うるさいのよ!悪趣味男!」
『「ナイス、パンチ…」』


結局、私はリリーが食べ終わるのを
話しながら待っていて、横からポッターが
ちょっかいをかけて来て、ペティグリューも
大広間にやってきて…なんだかんだ五人で
朝食を食べた(みたいになった)
リーマスは今日一日、医務室にお世話になるそうだ
……大丈夫かな?リーマス…



そしてその夜、私はこっそり寮を抜け出した。
リリーがいる前でなんとなくリーマスの
お見舞いに行くことは出来なかったから。
医務室を一直線に目指す。
お見舞いのお菓子と本を持って
医務室に入り、彼が眠るであろうベッドに近付き
マダム・ポンフリーが起きないよう小声で話しかける。
リーマスが起きているかは知らない←


『リーマス?』
「……エリーかい?」
『そうだよ、入ってもいい?』
「いいよ」


さっとベッドの仕切りの中に入る。
暗いからよく分からなかったけど
リーマスの顔色は良くないみたい。


「わざわざ来てくれたの?こんな夜中に」
『夜中でごめんね、リリーが寝てから来たの』
「いや、エリーが来てくれて嬉しいよ」
『良かったわ、お見舞いのお菓子と面白そうな本を
 持ってきたんだけど…明日には退院出来る?』
「いや、明後日の朝になりそうだよ」
『そう…明日は満月だから一緒にお月見でも
 しようかと思ったのに。きっと元気になるわ』
「……せっかくのお誘いだけど満月は嫌いで…
 それに明日は母さんのお見舞いに行くから
 夜は学校にはいないんだ。」
『そう…残念だわ』
「ごめんね、エリー」
『いいのよ、リーマスが早く元気になれば
 私はそれで充分なんだからね?(笑)』
「ありがとう、エリーとリリーは
 優しい心を持ち合わせているね」
『えっ、あー、ありがとう…//』
「さぁ、もう戻らないと…見つかったら大変だ」
『そうね、私も寝ないと明日起きれないわ(笑)
 おやすみなさい、リーマス。良い夢を』
「おやすみ、エリー。気を付けてね」


私は医務室を出て急いで寮に戻った。
扉をしめる音でリリーが起きたが
トイレに行っていたと誤魔化した。





[ 6/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]