13

『ねぇ、リリー。ここに置いてあった私の羽ペン知らない?』
「知らないわ。確かにそこに置いたの?」
『そうだと思うけど…』
「慌てて提出しに行ったから落としたのかしら?」
『え〜、そうかなぁ…?』
「ほら、そっち探して?」
『ないよ〜…』
「ねぇ、あなた達知らない?」
「私達が知るわけないでしょ?」
「グリフィンドールの持ち物なんかに興味ないの」
「そう。それはごめんなさいね」
「エリー!」
『アリアナ、なに〜?』
「もしかして、これのこと?」
『あぁ!それ!私の羽ペン!』
「はい、あって良かったわね」
『ありがとう、アリアナ〜!(抱)
 でもなんであんな所にあったんだろう…?』
「さぁ?落ちて転がっていったんじゃない?」
『そうかな?まぁ、いいや!』
「しっかりしてよね、エリー」
『ごめんね、リリー』
「いいわ。行きましょう」


さっきリリーが話しかけたスリザリン生に
くすくす笑われるのがリリーの癪に障った様で
私達はすぐにその場を後にした。正直、やな感じ〜。
スリザリン生ってもっと他の寮生と仲良く出来ないのかしら?
セブも……もっと他の皆のこと理解してくれたらいいのに……


「やぁ、リリー、エリー」
「……アヴィ先輩」
『こんにちは、アヴィ先輩!』
「私達、先に行ってるわね」
「えぇ、後でね。アリアナ」
「体調はどう?」
『凄くいいですよ。アヴィ先輩は?』
「僕も元気だよ。リリーも元気そうだね」
「おかげさまで元気です。」
「そんなに怖い顔しないでって言っても無理か…」
「私はまだ貴方を完全に許したわけじゃありません」
『リリー…私が良いって言ってるんだから…』
「エリーは黙ってて」
『はい……』
「これから君達に償いたいんだ。
 エリーには本当に申し訳ないよ」
「はぁ…私も先輩が悪人ではないことは分かっていますから」
『ふふ、』
「なに笑ってるのよ」
『何でもない!』
「ところでエリー。最近、恋人が出来たのかい?」
「え…?」
『恋人…?出来てませんけど…なんで?』
「え?そういう噂が出ているけど…」
「誰が言っていたんですか?」
「さぁ…そこまでは…スリザリンの子達が
 ひそひそ話しているのをそこで聞いたんだ」
「全く…誰なの?変な噂を流しているのは…」
『ずっとリリーと一緒にいるのにね』
「あー…そうね」
「じゃあ今度話しているのを聞いたら否定しておくよ」
「助かります、アヴィ先輩」
『ありがとうございます!』
「うん、じゃあまたね」


アヴィ先輩はレイブンクローかぁ…
スリザリンよりは友好的な人も多いわよね
実際にアヴィ先輩もそうだし。


「エリー。先輩と二人では会っちゃだめよ」
『分かってるよ、リリー。リリーを心配させたくないしね』
「ふふ、ありがとう」


それからアリアナ達と再び合流して、ご飯を食べた。
この時は思ってもみなかったの。
まさか自分達があんな目に合うなんて……




[ 73/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]