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楽しい時間が過ぎるのはあっという間
もうホグワーツに帰る時間が来てしまった…


「楽しめたか…?」
『うんっ!すっごく楽しかったよ!ありがとう、シリウス』
「それなら良かった。俺も楽しかった」
『ねぇ、シリウス』
「ん?」
『また一緒に行こうね』
「…っ、あ、あぁ!///」


るんるんでホグワーツに帰る途中、私は思い出した
そう。ママとの約束を……


『あー!!』
「な、なんだっ!?どうした!?」
『ママと約束してたんだった!』
「何を!?」
『ホグズミートに行かないって…』
「……エバンズにも黙ってて貰え…」
『そうする……すっかり忘れてた…』
「瞬間記憶能力も万能じゃないんだな」
『思い出せるかは別よ』
「ははっ。いいのかよ、そんなんで」
『いいのよ。テストの時は思い出せるし』


シリウスに誘われたのが衝撃的すぎてすっかり忘れていた。
でもすっごく楽しかった…
ママには悪いけど、一緒に出かけて良かった。
こんなに安心して楽しめたのはシリウスと一緒だったから…


「談話室に一回戻るか?」
『そうね、リリーも戻ってるかもしれないし…』
「よし、行こう」


談話室に戻ると予想通り、リリーはいた。
アリアナ達と一緒に何やらおしゃべりに夢中だ。
私はみんなの元へ駆け寄った。


『ねぇ、何を話してるの?』
「あら、エリー!おかえりなさい」
『ただいま、リリー』
「ねぇ、エリー。あなたって」
「ちょっと。」
「良いじゃない、リリー」
『…?私がなに?』
「だから」
「おい。」
『あ、シリウス』
「俺はジェームズ達の所に戻るから。」
『うん、分かった』


シリウスはニッと笑うとリリーにも"じゃあな"と
声をかけてから男子寮の方へ上がって行った。


『……で?何の話してたの?』
「うん、もういいわ(笑)」
『え?』
「それよりエリーはご飯は食べないの?」
『うーん。どうしようかな』
「私たちは食べる予定よ」
「一緒に食べましょうよ」
『そうだね、そうする』


アリアナ達と一緒に大広間に降りる。
今日はホグズミートでお腹いっぱいにしてきた生徒も
多いみたいで、大広間はいつもより寂しかった。
そしてそれはセブも例外では無く……
私達が楽しくお喋りしながら長時間大広間にいる間
セブも彼の悪い友達も、現れはしなかった。
リリーは特に気にしていないようだったけど…

そして食事が終わり、女子寮に戻った。
私は寝る前にちゃっかりとリリーに
今日の事の口止めをしてから眠りについた。




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