初めて見たホグワーツはとても大きく貫禄が凄いの…!
リリーと二人で目をキラキラさせて眺めた。


『「すごいわ…」』
「行くぞ、置いていかれる」
「え、えぇ、そうね」
『私、ついに来たのね!ホグワーツに!』
「えぇ!そうよ、エリー!
 これからたくさん魔法について学べるのよ!」
『あぁ、本当に楽しみだわ!』


二人で手を取り合ってはしゃいでいると
ふと、向こうから手を振ってる人が見えた


『……リリー。誰かが手を振ってるわ』
「え?誰…?あぁ。無視よ、無視。さっさと行きましょう」


これは後で知ったんだけど、手を振っていたのは
お騒がせ男、ジェームズ・ポッターだったらしい。


そして私たちはマクゴナガル先生から寮の説明を
聞いたあと、大きな広間へ案内された。
中にはたくさんの上級生達がいて、拍手で迎えてくれた。


「見て、エリー。天井が綺麗だわ」
『素敵な魔法ね…家でも出来るかしら?』
「大人になってからね?ふふふ」


コソコソと話しながら私とリリーは進んで行った。
セブが少し眉に皺を寄せてこっちを見ている。
しゃべるなってこと?(笑)


いよいよ組み分けの時間だ。
私とリリーはどこの寮になるのかな?
同じ寮になれるかしら?
セブは…スリザリンに入りたいと
昔教えてくれた。私たちと離れちゃうのかな…?
離れても友達には変わりはないんだけど
やっぱり三人一緒だといいのになぁ…


「リリー・エバンズ」
「私だわっ!!」
『リリー!落ち着いてね!』
「えぇ、いってくる!」


リリーは古い帽子を頭に被せられ、
帽子はすぐにこう叫んだ。


「グリフィンドール!!!」


リリーは嬉しそうにかけていく
グリフィンドール…セブルスとは違う寮。
あぁ、私はどこになるの…!?


「エリー・エバンズ」
『!?あぁ、私だわ!どうしよう!』
「大丈夫だ、エリー。深呼吸しろ」
『すー、はー…セブ…』
「落ち着いて行けば大丈夫だ。」
『うんっ、いってきます!』
「あぁ」


帽子が頭に被せられた瞬間、頭の中に
あの帽子が話しかけてくる…


「ほう?悩んでいるようだな」
『なんで分かるのよ…』
「愛する双子のいるグリフィンドールか
 守りたい友人が行く予定のスリザリン
 さてさて、お主はどちらを選ぶ?」
『選べないよ。二人とも大切な人なの
 ……セブはグリフィンドールに来ないの?』
「それは今の時点では分からない」
『でもスリザリンには…』
「では君の適性の寮にしよう。
 グリフィンドール!!!!!」


グリフィンドールから拍手があがる。
リリーも満面の笑みで拍手をしてくれる。
私はセブに微笑みかけた後リリーの元へかけていった


「エリー!一緒の寮で良かったわ!」
『私もよ、リリー!』


リリーと熱い抱擁を交わした。

セブルスはやっぱりスリザリンだった。
離れてしまったことにリリーも寂しそう。
そしてジェームズ・ポッターとシリウスも
(彼は有名な純血一族だったらしい)
グリフィンドールに来た。
リリーは心底嫌がっていたけど。

ブラック家のお坊ちゃんがグリフィンドールに行ったと
大騒ぎしていたから、私とリリーはセブとは話せないまま
グリフィンドールにある女子寮まで上がっていった。


「同じ部屋ね、エリー!
 でもベッドが別だなんて変な感じね」
『そうね、リリー』
「ねぇ、あなた達は双子なの?」
「そうよ!そっくりでしょ?」
「えぇ、正直どっちがどっちなのか分からないわ」
『適当に呼んでくれたら答えるわ(笑)』
『「よろしくね?」』


その日は簡単な挨拶だけをして眠りについた。
その夜、また夢を見た…
私とシリウス・ブラックが一緒に走る夢。
ブラックが私の手を引っ張ってるようにも
見えたんだけど……なぜそんなことに…?


よく分からない夢だったからリリーに話すのは
やめておいた。心配させるだけだし…


「エリー、起きて。朝食を食べにいきましょう」
『んぅ…もうそんな時間…?』
「少し早いけど、朝食を食べたら探検しない?」
『する…!眠いよ〜…』
「目をこすっちゃだめよ。さぁ、用意して」


のろのろと準備をして、リリーに髪を
とかしてもらってから大広間にむかう。
朝早いためか、生徒は少なかったが
スリザリンのテーブルにセブを発見。
リリーと手を振ると、セブもこっちを見て
眉をぴくっと動かしてくれた。
セブなりのお返し、かな?多分。


「さっ!探検に行くわよ!」
『おー!』


右手を突き上げながらリリーと歩く。
まずは普段使われている教室、使われていない教室
それから肖像画がたくさん詰め込まれた部屋
物置部屋、次々に探検して行く。
リリーと階段を歩いている時、私はピン留めを
落としてしまい、リリーが先に階段をおりた。


「エリー?」
『ピン留め、引っかかっちゃって…
 ちょっと待ってて、リリー。すぐに行くわ』
「ペチュニアにもらったピン留め?」
『そうよ、だから絶対拾わなきゃ…きゃっ!』
「エリー!気を付けて!」


急な衝撃。
そう、気まぐれな階段が動き出したのだ。
リリーは階段から離れているため無事。
私はどこに連れて行かれるのだろう?


『とりあえず、こっちに行ってみるわ!
 リリーは先に寮に戻っていてくれない?』
「一人で大丈夫…?」
『大丈夫よ!学校だもの。
 道が分からなくても誰かに会えるわ』
「そうね…何かあったら助けを呼ぶのよ?」
『えぇ、分かったわ!』


私はリリーと別れ、階段を駆け上がった。
そこはなんだか暗くて…嫌な感じがした。
でも進むしかない、とゆっくり歩き出す。
すると角を曲がるところで人にぶつかった。


「は!?なんでこんな所に人が…お前…」
『ブラック…』
「こらぁ!待てぇ!!!」
『え?何?!だれ!?』
「チッ、とにかく今は走れ!
 ……捕まりたくなかったらな」


ブラックはそう言うと私の手をとって
走り出した。あぁ、夢で見たのはこれね…
確かこの後ブラックはつまずいて転けて
骨を折るはずだったけれど……


『ブラック、そこに箱があったわ。
 つまずいて転ばないように気を付けて』
「は!?箱!?そんなもの…これか!」


ひょいっと箱を飛び越えて走り続ける。
骨折しなくて良かったわね、ブラック!


「さっきはなかったはずだけどな!こんな箱!」
『私が知るわけないでしょ』
「まぁ、ありがとな!(にか)」


……やっぱり笑ったブラックはイケメンだった


『これ、どこまで走ればいいの!?』
「もうすぐジェームズと待ち合わせしてる
 空き部屋がある!そこまでだ!」
『げ、ポッター?リリーに怒られるよ』
「あぁ、お前はエリーの方か」
『リリーなら鉄拳ものよ。
 私であったことに感謝しなさい、ブラック』
「ブラックって呼ぶのやめろよ」
『…どうして?』
「家が嫌いなんだよ。思い出したくもない」
『有名なお金持ち一家なんでしょ?』
「はっ、くそみたいな家だ」


ブラックは苦々しく吐き出した。
でもブラック以外になんて呼べば…


「着いた、入るぞ」
 ガチャ
「シリウス!遅かったね!ってリリー!?」
『残念、エリーでした』
「リリーとは雰囲気が違うと思ったよ!
 それに昨日の感じからするとシリウスと
 手を繋ぐとも思えないしね」


バッ、と手を離す。
…忘れていたのは内緒


「どうしてエリーとシリウスが一緒に?」
『そうよ!どうして私まで走るはめになるの!?』
「お前なぁ…あそこは立ち入り禁止だぜ?
 昨日の校長の話、聞いてなかったのかよ」
『あそこが、そこだなんて知らなかったのよ』
「たまたま辿り着いたってこと?」
『気まぐれな階段のせいでね。
 ってじゃあなんであなたはあそこにいたのよ』
「俺は探検してたんだよ」
「僕と二手に別れて色々探してたんだ」
『バレて怒られても知らないわよ』
「その時はその時だよ!」
「リスクは承知してる(笑)」
『ほどほどにね。リリーが待ってるから行くわ』
「一緒に戻ろうよ!」
『嫌よ、リリーが嫌がるわ』
「エリーからリリーに言ってよ!
 ジェームズは良い人よって!!」
『お断り。セブを全否定する人のどこが良い人なのよ。
 それに私、あなたと仲良くなったつもりはないから。』


そう言って部屋を出て一直線に寮を目指す。
案の定リリーが心配して待っていた。
私の不安な心まで伝わっていたようだ。
リリーを安心させてから授業に向かった



その後はうるさい奴らも絡んでくることなく
素晴らしい一日を過ごした。
やっぱり魔法って素敵だわ!!
最高に楽しくてクール!!
ついつい教科書を先読みしてしまう。
あまり読むと授業中ひまになるから図書室にでも
行こうかしら?たくさん学びたいわ!


『リリー、図書室に行くけど、どうする?』
「私は待ってるわ。これ終わらせたいから」
『分かった、いってくるね』
「階段に気を付けてね、エリー」
『分かってるわよ(笑)』


私は一人で図書室に向かった。


初めて訪れる図書室。
そこにはたくさんの本があってドキドキした!
"禁書"と呼ばれる物があり、
禁書を読むには先生の許可書が必要らしい…
なんて危険な物を置いているんだ。
けしからん、ぜひ読みたい(笑)


何を読もうかな〜と通路を歩いていると
しゃがみ込んで、苦しそうにしている男の子を発見。
ネクタイの色からグリフィンドールみたい。


『大丈夫…ですか?』


そっと肩に手を置いて尋ねるとびくっとした。
驚かせてしまったようだ。それにしてもこの子…
なんだか不思議なオーラ?を感じる。
よく分からないけど、他人とは違う感じ


「すみません、僕は大丈夫です…」
『医務室行きますか?
 …私は場所知らないんですけど(苦笑)』
「一年生…?」
『そうですよ』
「思い出した。双子の子だよね?
 僕も一年生だよ。リーマス・J・ルーピン」
『エリー・エバンズよ。
 あなたもグリフィンドールよね?』
「うん、そうだよ。エリーって呼んでもいい?」
『もちろんよ!私もリーマスって呼ぶね』
「うん。エリーと、えっと双子の…」
『リリーよ』
「そうそう、リリー・エバンズも
 僕と同じグリフィンドールだよね?」
『そうよ!二人で同じ寮に入れてとても嬉しいの!』
「仲良いんだね」
『だって双子だもの!(笑)』
「そっか、羨ましいな」
『リーマスは兄弟はいないの?』
「いないよ、だからエリーが羨ましいよ」


それから閉館時間になるまでリーマスと
たくさんのことを話して、面白そうな本を
一緒に探して借りてから一緒に寮に戻った。
こんなに長話をしてリーマスの体調が大丈夫なのか
心配だったけど、医務室にいて寝ているより
何かしている方が気が紛れていいみたい!

談話室にリリーがいなかったからリーマスと
別れて女子寮に入って行った。
リリーは眠そうにしながら待っていてくれた。
おやすみというとすぐに眠ってしまった

私も借りた本を一冊だけ読んですぐ眠りについた





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