「エリー、メリークリスマス」
『メリークリスマス、ママ』


今日は聖なる夜、クリスマス
私には関係のない話だけど…
でもプレゼントはたくさん届いた。
全て闇祓いの人達が開封して、
呪いの類がかけられていないか確認してからだから
なんとなく味気ない気もするけど…仕方ないわよね…
これも私のためだから。


「エリーもプレゼント送ったんでしょ?」
『もちろんよ、ママ!ママもプレゼントありがとう』
「えぇ。エリーもありがとう」
『「ふふふ」』
「パパとペチュニアからの手紙も読んだ?」
『えぇ!リリーからも来てたわ』


リリーは学校に残ってもらった。
本当は家族みんなで過ごす予定だったけど
ダンブルドア先生から学校に残るようにと
お達しが出てしまったから仕方ない。
ママも夕方には家に戻ってご馳走を作る。
次に来るのは次の日の朝だ。

私は健康上、問題はないからささやかだけど
病院からご馳走が出るみたい!
少し楽しみなの、ふふ


プレゼントを見ていて気付いた
やっぱりシリウスからのプレゼントはない
それだけじゃなくポッターからも。
……忘れられたのかな…?


「エリー?ママは一度家に帰るわね」
『うん、OKよ!ママ!』
「ごめんね、クリスマスの夜に一人にさせて」
『大丈夫よ!ママを独り占めしちゃうと
ペチュニアが寂しがるもの!ねっ?』
「ありがとう、エリー。
ちゃんと暖かくして寝るのよ?早く寝てね」
『分かってるわよ、ママ(笑)』
「心配だわ…」
『いいから、もう行って?(笑)』
「えぇ、また明日ね」


ママが病室を出て行く
笑顔で手を振ったあと、代わりに入ってきた
看護婦さんが持ってきたご飯に舌鼓をうつ
確かにご馳走とは程遠いけど、それでも美味しかった


『今頃みんなはクリスマスパーティー中かな…?』


ベッドに座り、窓を開けて外を見る
雪が降っていた。ホワイトクリスマスかぁ…
しみじみとしていたら…


「やぁ!良い夜だね、エリー!」
「早く入れよ、ジェームズ!」
『…っ!?』


目の前にどアップのポッター
そして後ろにチラッと見えたシリウス
な、なんでここに…?


「お邪魔しますっと」
「さみぃ…」
『な、なんで…?何してるの?』
「ジェームズサンタだよ!」
『…は?』
「エリーが一人で寂しがってると思って!
メリークリスマス!良い子にプレゼント!」
「メリークリスマス、エリー」


笑顔でプレゼントを差し出すポッターと
照れたように少し顔を逸らして渡すシリウス
えっと…つまり…どういうこと…なの?
困惑しながらもプレゼントを受け取る


「エリー、会いに来れなくてごめんな」
「僕たちに会いたかった?」
『…っ』


泣くつもりなんてなかった。
でも私の目からつー、と涙が出た。


「お、おい、泣くなよ…」
「泣くほど会いたかったの?!」
『ふふ…ありがとう、とっても嬉しい
プレゼント、大切にするね。シリウス、ジェームズ』
「あっ、あぁ…」
「い、いまなんて…?」
『ありがとう、ジェームズ』
「〜っ!どういたしましてっ!エリー!」


笑顔のジェームズ。
私はやっぱり嫌いになれないみたい
この傲慢でお調子者の天才児さんのこと。


「チキン持ってきた、食べれるか?」
「もちろん食べれるよね?」
『えぇ!もちろんよ!』


三人だけのクリスマスパーティー。
でもきっと私は世界で一番幸せ者。
家族と過ごすクリスマスも素敵だけど
友人達と過ごすクリスマスは悪くない
そう思えるくらい楽しい時間を過ごした


「そろそろ帰るね、エリー」
『もうそんな時間なのね…二人とも本当にありがとう
 気を付けて帰ってね?夜は危ないから…』
「あぁ、ありがとう!大丈夫さ!
 楽しい時間だったよ、エリー。
 僕はまた来れそうな時にお見舞いに来るね」
『うん、ありがとう!待ってるわ』
「エリー、俺の家は闇が深い。
 だから帰省中も俺は見舞いに来れない。
 でも俺はいつでもエリーの事を想ってる。
 早く元気になって学校に戻ってこいよ」
『ありがとう、シリウス!早く戻るわ。
 リリーやリーマスのことも心配だから…』
「とりあえず僕たちに任せて!
 エリーはしっかり治して」
「じゃあまたな」


ジェームズとシリウスは最後に私の頭を撫でてから
来た時と同じように窓から外に出て帰って行った。
警護が厳しいはずなのにどうやって来たんだろう…?
危ないことしてなかったらいいけど…


幸せな気持ちにしてくれた二人に
心の中でお礼を言ってから眠りについた





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