次に目が覚めると真っ暗だった
きっと夜になってしまったんだろう…
周りにも誰もいなくて、静かで。
なんだかあの地下室みたい…
そう思った瞬間、急に怖くなった。

今までの拷問がフラッシュバックする。
苦しくて、痛くて、助けなんて来ない
私は独り。いつまでも、ずっと。


「エリー…?」
『誰っ…!』
「しーっ!僕だよ、リーマス」
『リーマス…?』
「戻って来たって聞いて…僕も体調悪くて
 今日から医務室にお世話になるんだ 」
『大丈夫なの?』
「僕は大丈夫。カーテン開けてもいい?」
『うん、いいわよ』


カーテンが開くとろうそく越しにリーマス
それだけでひどく安心した…
私はもう帰って来たのに。
何も怖がる必要はないのに…


「……ひどいケガだ」
『まぁね…』
「助けに行けなくてごめん。」
『いいのよ、辛いんでしょ?』
「でもエリーの方が辛そうだ…」
『リーマスが声を掛けてくれたから平気っ』
「そうかい…?エリー。
 ……本当に戻って来れて良かった」
『ありがとう。みんなに感謝しないと』
「そうだね。エリーは食べれる?」
『たぶん…?』
「一緒にチョコレート食べない?
 お見舞いにってたくさんもらったんだ」
『でもチョコレートはリーマス大好きじゃない』
「そうだけど、エリーが痩せすぎだから」


それにたくさんあって食べきれそうにないんだ
そう言ってチョコレートの箱を持ち上げて笑う
確かに量は多そうだ…


「エリーが眠くなるまで僕に付き合ってよ」
『リーマス、眠くないの?』
「昼寝しちゃったからね…」


それからリーマスとチョコレートを食べながら
学校であった話を眠くなるまで聞いていた


私が学校にいなかった期間は意外と短く
勉強もそんなに進んでいないようだった


「聖マンゴに行くのはすぐ…?」
『分からないけど…多分』
「そっか…また会えなくなるね」
『うん……』
「不安?」
『少しね』
「闇祓いもいるなら大丈夫さ!
 先生方も安全な方法を取ってくれる」
『ダンブルドア先生は偉大な魔法使いだもの』
「そうさ。エリーを見捨てたりなんかしない」


……でもダンブルドア先生ならもっと早く
助けに来れたんじゃないのかな…
なんで生徒が危険な目に合ってまで助けに?


「エリー、大丈夫だよ」
『ありがとう、リーマス』


今日はそこまでにして寝ることにした
明日、起きれないと困るから




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