次の日、目が覚めると昨日の女の人がいた


「朝食よ、食べなさい」
『あのっ…ここはどこですか?どうして私はここに?』
「あなたに教える義務はないわ。ただ…
 そうね…一つ言えるのは素直に我が君に従いなさい
 このアドバイスだけよ。早く食べなさい」
『…はい』


食欲はわかないけど、次にいつ食べれるか分からない
少しずつ胃に詰めて行く
…ホグワーツに帰りたい…


「起きたか」
「我が君…」
「顔をあげよ」
「はい…朝食を食べています」
「…気分はどうだ?」
『最悪です。Mr.ヴォルデモート』
「ほぉ…俺様の名前を怖がらぬか?」
『たかが名前です』


あれだけ昨日は怖かったのに、
今日は案外スッキリとして恐怖は消えていた。


「それを食べたら連れて来い」
「はい、我が君」


ヴォルデモート卿は鼻で笑うと部屋を出て行く
こんな小娘一人、気にもしてないって感じね
悟られないようにしなければ。
知られてはならない…
この大きな力を…夢を見る力を…

よしっ!と気合いを入れて両頬を叩く


「さぁ、立って」
『私の杖はどこですか?』
「教える義務はないわ。」


女の人の後ろについて歩く
…なんだか、見たことのあるツリー。
そう…漏れ鍋にもあったツリーだわ
闇の陣営側もツリーを飾るのね…


「さて、名前をなんと言ったか…」
「エリー・エバンズです。我が君」
「エリーよ。お前は何が出来る?」
『特に何も…でも成績はいいです』
「お前の不思議な魔力はなんだ?何から来ている」
『私に聞かれても…』
「お前は不思議な事が出来るそうだな?」
『……いいえ、何も』
「確かな情報が入っているのに、白を切るのか?」
『…誰からの情報ですか?Mr.ヴォルデモート』
「アヴィ・カルロッタ。知っているな?」
『アヴィ・カルロッタ…そんな…まさか…』


アヴィ先輩が私を…?
そういえば瞬間記憶能力のことは話したかもしれない
じゃあ夢見の力は…話した…?


「動揺したな」
『そ、そんなことは…』
「正直にはけ」
『………』
「話すつもりはないと?」
『私にはなんのことだか…』
「話したくしてやろう。やれ」
「はい、我が君。……クルーシオ」
『ああぁぁ!!』


側にいた女の人が呪文をかけてくる
何。クルーシオってこんなにも苦しいの!?


それから何時間、聞かれては無視し、
クルーシオをかけられるの繰り返し。
頭が痛い。胃が痛い。身体中が痛い。


「さぁ、答えろ」
『…私、には…特別な力があります』
「その力とはなんだ…?」
『瞬間記憶能力です』
「瞬間記憶能力だと?」
『はい…一度聞いたこと、見たこと、
 何があっても忘れません。
 アヴィ先輩に話した特別な力とはこのことです』
「…貴様は俺様を馬鹿にしているのか?」
『そんなことは…』
「俺様は席を外す。しっかり拷問しておけ」
「「はい、我が君」」


二人の男の人が来て、ヴォルデモート卿は去って行く

そこから地獄の時間が始まった。





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