ホグワーツ特急

楽しい夏休みも終わり、今日またホグワーツに戻る。
パパは仕事で見送りに来れなかったけど
ママとペチュニアは見送りに来てくれた
ペチュニアはお揃いのシュシュを付けてくれていた
もちろん、私達も付けていた。


「またね、ペチュニア。元気でね」
「リリーとエリーもね」
『また手紙書くわ』
「ママとペチュニアも書くわ。パパもね」


二人とハグを交わして別れる
コンパートメントに二人で乗っているとセブが来た


「リリー、エリー。今年からコンパートメントは
 マルフォイ先輩達と乗ることになった…」
『そうなの?残念だわ、セブ』
「すまない」
『セブに話したいこともあったのに』
「そうよ、大切な話」
「…なんだ?」


少し心配そうに、座って話を聞く体制を取ってくれる


『戻らなくていいの?』
「少しくらい大丈夫だ。話したいことって?」
『うん…まだ予知夢なのか、ただの悪夢なのか
 ハッキリはしてないことなんだけど…』


セブにノクターン横丁から感じた赤い視線と
赤い目の持ち主の夢の話を一から説明した。
だんだんセブの顔が強張っていくような気がして
私まで不安が高まってしまいそうだ……


「そう…か…」
「どう思う?」
「まだ何とも言えないが…
 ダンブルドア先生に話すべきだ」
『うん、そのつもりよ』
「予知夢でないことを祈るよ、エリー」
『うん、ありがとう。セブ』
「そろそろ行く。何かあったら頼ってくれ」
『「またね、セブ」』


やっぱりダンブルドア先生に話すのが一番ね…
気持ちを切り替えてリリーと楽しく話していると
コンパートメントの扉が開いた


「リリー!!あれ?スニベルスはいないのかい?」
「ポッター…!」
『はぁ…うるさいのが来た』
「エリーっ!褒め言葉かい?」
『貶してるのよ、バカ』
「ははははは」


いつ見てもうるさくて元気なポッター
こいつに悩みはないのだろうか?


『一人なの?ポッター』
「あぁ、シリウスは寝ていてね
 リーマスも体調が良くなさそうだから
 ピーターに様子を見て貰っているんだ」
「ルーピン大丈夫なの?」
「大丈夫さ、いつもの…そうだね。持病みたいな物さ」
『お大事にって伝えといて』
「あぁ、分かった」


と、言いつつちゃっかりリリーの隣に座るポッター
もちろんリリーに嫌がられているけど(笑)


「久しぶりなんだからいいじゃないか!」
「久しぶりでも嫌な物は嫌よ!」
『懲りないねぇ、ポッターも』


なんだか急に眠くなってきた…
二人の騒がしい会話ですら子守唄に聞こえる
うとうとしている内に瞳は完全に閉じてしまった



「エリー!」
『んあ…リリー…?』
「大丈夫?うなされてたわ」
「水でも飲むかい?」
『あぁ…ありがとう、ポッター』
「嫌な "夢" でも見たのかい?」


夢をやけに意味ありげに言うポッター
それを聞いてリリーが片眉をあげる


「どういうこと?ポッター」
「何がだい?エリーが悪夢でも
 見たのかな〜って思っただけだよ、僕は」
『赤い目がこっち見てた…』
「また、赤い目?」
「赤い目と言えば、ヴォルデモートも赤い目だったよね」
「ちょっとポッター!!変なこと言わないで!」
「いたっ、痛いよ!リリー!ごめん…!」
『ううん……』


そんな、まさか…ね…
ヴォルデモートがノクターン横丁に…?
そんなこと…ありえるの…かな…



『ちょっとトイレ』
「一人で大丈夫…?」
『うん、リリーはここにいて』
「分かったわ」


コンパートメントにリリーとポッターを残して出る
顔を洗ってスッキリしたい…

トイレに向かっていると後ろから肩を叩かれた
考え事をしていたから、ぴくりと肩が飛び上がった


『あぁ!リーマス!驚いたわ!』
「ごめんよ、エリー。驚かす気は…」
『私こそごめんね、考え事をしていたから』
「顔色が良くないようだけど大丈夫?」
『大丈夫よ、少し悪夢を見たの。リーマスも真っ青よ』
「僕は大丈夫だ。慣れてるし、エリーがくれた
 これのおかげで幾分ましなんだよ」


そう言って私が一昨年のクリスマスにあげた
ブレスレットを付けた腕をあげて見せてくれた


『付けてくれてるのね!?嬉しいわ』
「本当に楽なんだ。さすが呪文学トップだね」
『違うわ、私の気持ちがこもってるからよ?』


そう言ってウィンクすれば、笑顔になるリーマス
良かった。少し元気になったみたい
私も元気を貰っちゃったわ、ふふ


『そうだリーマス。チョコレートあげる』
「いいのかい?ありがとう」
『どういたしまして、じゃあ行くわね?』
「うん、また学校で」
『えぇ』


リーマスと別れ、トイレで顔を洗い、
コンパートメントに戻る。
ポッターはいなかった。


『ポッターは?』
「うるさいから追い返したわ」
『そうなの?』
「もう大丈夫そうね」
『うん、大丈夫よ』


お互いにこりと笑って、会話を楽しむ
どれだけ一緒にいてもリリーとの話題は尽きない
やっぱり私達は最高の双子よ!!


ホグワーツに着き、また美味しい料理に
舌つづみをうったあとはすぐに眠りについた
久しぶりのルームメイトや友達との再会に
話は盛り上がったけど、明日から授業があるから
みんなで早寝をして、明日に備えた





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