夏休み

今年の夏休みは数日、友達と遊ぶ約束もしているから
旅行から帰ってきたペチュニアと二週間
たくさん遊んだ後は一週間、漏れ鍋に泊まる

ペチュニアからは三人で色違いの
可愛い花柄のシュシュのお土産をもらった
三人でお揃いって凄く素敵だわ!
とても嬉しくて毎日つけた。

家族みんなで遊んだり、三人で映画に行ったり
たまにはそれぞれ本を読んだり……
とにかく家族とずっと過ごした二週間

残念ながらセブに会うことはなかった。
リリーも会いに行こうとは言わなかったし
セブからも何のお誘いもなかったからきっと
忙しいんだろうな、と思って何も言い出さなかった
漏れ鍋から帰ってきたら、会おうと決めて。


そして今日は漏れ鍋に行く日。
両親とペチュニアに一週間のさよならを告げて
リリーと二人で漏れ鍋に向かう

トムさんに挨拶をして、部屋に入った後
二人でジェラートを食べて、服屋に行って…
久しぶりの魔法界を満喫した
(久しぶりと言っても二週間ぶりなんだけど)


そして事件は漏れ鍋に泊まってから6日後
家に帰る前日に起こってしまった…


リリーと友達をカフェに置いて頼んでいた本を
一人で取りに行こうとしたのが事の始まり。
その本屋さんはノクターン横丁に近い本屋さんで
この間も間違えてノクターン横丁に入ってしまったから
今日はうんと気を付けて周りを見て歩いていた

その時ふと、視線に気が付いた
ノクターン横丁の方からだ…
この道を歩いていてノクターン横丁の住民に
見られたことなんてないから不思議に思って振り向いた
暗いノクターン横丁から赤い目が二つ
こっちをじーっと見ていた
目があった瞬間、ぞぞっと寒気がして…
この世とは思えない程の寒気。
私の直感が逃げろと、警告を発している
でも動けない。赤い目に囚われてしまったように
足が震えて一歩も動けなかった。
そして赤い目の人がこちらへ進もうとして時…


「こんな所で何しちょる」
『は、ハグリッド!』
「遅いわ、エリー」
『リリーも後ろにいたのね…?
 ハグリッドで見えなかったわ』
「エリーも見つかったし、帰るわね
 エリー、リリー、また学校でね。ハグリッドも」
『「ばいばい、またね」』
「気を付けて帰るんだぞ」
「本は手に入ったの?」
『えぇ、バッチリよ』
「エリー、ノクターン横丁なんぞ
 見ていたら奴らが寄ってくるから危ないぞ」
『えぇ…』


振り向くと、もう赤い目は見えなかった
……一体何だったのだろうか?
不安だけが残っていたけど、ハグリッドに
漏れ鍋まで送ってもらって、
リリーと仲良くご飯を食べて寝た


最終日には両親とペチュニアにお土産を買い
新学期に必要な教科書や道具を買い揃えてから家に戻った


そして次の日、リリーを誘いセブの所へ
セブには会えなかったけど…



結局、夏休みにセブに会えたのは二回だけ
こんなに近くに住んでいるのに、セブが遠く感じた
……寂しく感じていたのは内緒だ。




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