17

ついに今日はデートの日。
授業はあるから、その後から。
ポッターは授業中も隣に座りたがったけど
リリーが集中出来ないから辞めてと本気で
懇願したら、授業中は無しになった
…ポッターがよく分からないわ
どういう基準でリリーのお願いを聞き入れるのか…
全てはポッターの気まぐれなのかしら?


「あぁ、地獄のようよ!!」
『リリー、頑張ってね』
「エリーはセブの所にいるの?」
『一応図書室に行ってみるわ』
「そう。エリーは本も好きだし
 ちょうどいいかもしれないわね」
『うん、一人でも本があれば大丈夫よ』
「あぁ。本当に嫌だわ、ポッターと二人だなんて」
『……分かるわ、その気持ち』


リリーの肩にぽんっと手を置いて慰める
そうこうしてるとポッターがこちらに来た


「やぁ!リリー!デートの時間だよ!」
「はぁ、全く…分かったわよ、エリーまたね」
『いってらっしゃいリリー。ポッター!
 リリーに変なことしたらただじゃおかないわよ!』
「する訳ないじゃないか!僕を誰だと思ってるんだい?」
『ポッターならしそうだもの』
「しないよ!さぁ、リリー行こうか!」
「リリーって呼ばないでちょうだい!」
「せっかくのデートなんだから、
 リリーもジェームズって呼んでくれない?」
「お断りよ!!」


リリーとポッターは最後まで騒ぎながら去って行った


『はぁ…不安だわ…』
「ジェームズなら大丈夫だ」
『シリウス、いたの?』
「ひどいな、お前(笑)」
「さっきからいたよ、僕達もね」
『リーマスにペディグリューまで』
「ちゃんとエバンズを楽しませれるように
 デートプラン考えてたから大丈夫だ」
「そうだね、ジェームズが珍しく本気出して
 考えてたみたいだし…安心していいと思うよ」
『それならいいんだけど…』
「ジェームズは本気でエバンズが好きだからな」
『その割には態度を改めないのね』
「仕方ないよ、それがジェームズだから」
「エリーはこれからどうするんだ?」
『図書室に行こうかと』
「ちょうど良かった、僕達も行くんだ」
「あ?そんなこと一言も…いてっ」
「行くよね?シリウス」
「あ、あぁ、そうだったな」
『じゃあ一緒に行きましょう』
「うん、そうしようか」


ペディグリュー、リーマス、私、シリウスで並んで歩く
会話をしながらだとあっという間に図書室に着いた

とりあえず別れてセブの特等席へ向かう
するとちょうど、セブは先生に呼び出されたからと
席を立つ所だったから、少しだけ話して別れた

読みたかった本を探そうと、歩き出したけど
見つからないからマダムに聞くと借り出し中らしい…
いつの間にかシリウス達もいなくなっていたから
久しぶりにアニメーガスの練習をしようと
必要の部屋まで一人でやってきた

ちなみに必要の部屋はシリウスとポッターに
教えてもらったから知っているのよ?ふふ


まずイメージトレーニングをしてから
アニメーガスの練習を始めた



<シリウスSide>
中庭にやって来て寝転びながら空を見上げていると
いつの間にか女達がわらわらと湧いて来た
最近、俺はモテる。
そのせいでリーマスとピーターは少し離れた所に
行ってしまったが、追いかけるのも面倒で放っていた


『シリウス!!あ、ちょっと失礼…』
「どうしたんだよ。慌てて」
『いいから来てっ!!』


エリーに手を引かれて立ち上がる
女達もポカンとしていたが、エリーはお構いなしだ
そのまま俺の手を引いたまま早足に歩き出す
つまり、だ…俺達は手を繋いだまま歩き出した
エリーの手って小さいな…
女の子だから当たり前か。


『シリウス、驚かないでね?』
「んだよ?」
『成功したのよ!』
「……何が?」


興奮したように話すエリーだが
俺には何のことかサッパリだった


『だから!……アニメーガスよ』
「…本当か?」
『さっきやってみたら出来たの!』


必要の部屋に入り、エリーはやっと
手を繋いでいたことに気付き慌てて手を離す
見ていて?と目をつぶり集中する

……が、うまくはいかなかった
完全には変身出来ず、中途半端な姿で止まってしまう


『おかしいな…さっきは出来たのよ?嘘じゃないのよ?』
「もうそろそろ辞めとけ、また倒れるぞ」
『うん、分かった…』


悔しそうなエリーの頭を撫でてやると
顔を真っ赤にさせたから、少し笑うと睨まれた
なんだよ、可愛いって思って笑っただけだろ(笑)
そう言うとますます顔を真っ赤にさせた


「それにしてもエリーのアニメーガス
 何に変身するんだろうな?くちばしがあって
 羽があって…大きそうだけどなぁ……」
『鳥、に近い生物よね』
「鳥、かもしれねぇしな」
『飛べるのって便利よね』
「あぁ、便利だな」


二人で顔を見合わせてにやっと笑う
エリーも結構、悪戯好きなのは最近知った

リリー・エバンズとエリー・エバンズは
双子特有の似ている所もたくさんあるが
似ていない所もたくさんある。
悪戯好きな所だとか、のんびりしてる所
よく笑う所(一度ツボに入るといつまでも笑っている)

見た目はそっくりなのになぁ…
最近、俺もリリー・エバンズとエリー・エバンズの
見分けがつくようになってきたようだ

……見慣れたのかもしれないな
その時はそう思っていた





[ 41/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]