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そしてあっという間に学期末テスト
今回は3ヶ月のブランクがあるものの
きっと取り返した…と思いたい
暗記物は大丈夫、問題は実技よね…
連日リリーやルームメイトと勉強をする


『あぁ!魔法薬学がサッパリだわ!』
「エリー、むきになっちゃだめよ」
『分かってるよ、リリー…』
「教えてあげようかい?」
『結構よ、ポッター』
「図書室にでも行く?」
『そうね、セブに会えたらいいわ』
「スニベルスに聞くくらいなら僕が」
『「そのあだ名で呼ばないで」』


リリーと息ぴったりにポッターに詰め寄ると
ふんっと顔を反らして談話室を出て行った


「本当に失礼な奴!傲慢野郎!」
『少しでも良い奴だと思ってた私が馬鹿だったわ』
「良い奴!?あんな奴のどこが!?」
『でも友達想いなのは確かよ、リリー』
「それでもよ、最低な奴に変わりはないわ」


リリーはポッターに相当ご立腹のようだ
図書室に向かうといつもの場所にセブはいた


「セブ」
「リリー、それにエリーも」
『勉強してる?』
「あぁ、だいぶはかどってる」
「エリーに魔法薬学を教えてあげてくれない?
 ついでに私も隣で聞いていたいんだけど…
 その…セブが良かったら…」
「そうか、エリーはブランクがあるからな」
『うん、そうなの。サッパリ分からなくて』
「リリーとエリーで僕を挟んで座ってくれ
 その方が説明しやすいだろ?」
『「ありがとうっ!セブ!」』


それからセブルス先生による講義は一時間にも及んだ
途中、マダム・ピンスに見られたりしたが、
まじめに勉強していたからおとがめはなかった。


「そろそろ晩ご飯の時間だ」
「あら、もうこんな時間?」
『セブの説明すっっごく分かりやすかった!』
「私もそう思うわ、卒業したらセブが
 魔法薬学教授になればいいのよ」
『スラグホーン先生が聞いたら悲しむわよ』
「いいのよ、ここには来ないもの」
「褒め言葉として受け取っておく」
「当たり前よ、ふふふ」


大広間まで仲良く話しながら行く
大広間の扉の前でセブと別れてリリーと中へ
みんなご飯の時まで勉強していて、
その光景はなんだか異常だった…
私とリリーはお互い質問を出しながらご飯を食べた

セブのおかげで今日は凄くはかどった気がする
本当に魔法薬学が好きなのね…
リリーも分かってない所まで理解してたし…
ちゃんと努力してないと分からないことだわ
尊敬しちゃう。


談話室に戻ると、ポッターがみんなに悪戯をしていた
シリウスとリーマスはたしなめる物の、あまり気には
していなそうだった…全く…今回もポッターが勉強を
しているそぶりは見せないけど、おそらく良い成績を
納めるのだろう…絶対ポッターに負ける訳にはいかない
私のプライドがそう告げていた


「ポッター!やめなさい!」
「リリー!嫉妬かい!?」
「本当におめでたい頭の持ち主ね!
 そんな訳ないでしょ!皆の勉強の邪魔をしないで
 と言ってるのよ!いい加減にしなさいっ!!」
「みんながあまりに必死だから」
「あなたもテスト勉強すればどう?」
「いや、僕は普段からちゃんと勉強しているし
 今更慌てて勉強しなくても出来るからいいさ。」
「そう?じゃあ私と勝負しましょうか?」
『「勝負…?」』
「薬草学で私より点数が低かったら私の勝ち」
「いいけど、リリーが負けたら何してくれるんだい?」
「そうね、一日デートでどうかしら?」
『「「「一日デート!?」」」』
『何を言ってるの!?リリー!』
「だって悔しいじゃない!それに薬草学は明日の一番最初
 今から勉強したって間に合うはずないわ」
「約束だよ?リリー」
「えぇ、ただし!デートはホグワーツの中だけ
 学期末の結果が出てからすぐ後の一日、いいわね」
「なんだって!?そんなの短すぎるよ!」
「じゃあ勝負しないのね?」
「…するよ、する!」
「ふん、せいぜい勉強するのね」
『リリー…』


まさかリリーがそんなに負けず嫌いだったとは…
それにしてもよく考えてから言うべきよ!


『リリー、ポッターは去年も成績が良かったのよ?
 あんなこと…もしポッターが勝ったら…どうするの?』
「その時はその時よ、エリーは側にいなくていいわ」
『でもリリー』
「この話は終わり。もう言った後だし、それにポッターも
 おとなしく勉強を始めたんだから良しとしましょう」
『分かったわ、リリー』


肩をすくめて合図をする
リリーは薬草学の勉強を始めてしまった
私も仕方なく勉強を始めるが、眠くなったので
リリーにおやすみを言って先に寝てしまった





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