「いいでしょう。これからは気を付けて下さいよ」
『はい、お世話になりました』
「エリー、歩ける?」
『うん…なんとか(苦笑い)』


三ヶ月も歩いてなかったから、筋肉が落ちている
よろよろ、とまではいかないけどやっぱり歩きにくい
リリーが手を組んでくれるからまだましかな…


「朝ごはんを食べましょう、授業はどうするの?」
『ダンブルドア先生の元に行くわ』
「そう、分かったわ」
「大丈夫か?エリー」
『セブ!来てくれたの?』
「歩けないかと思ったが…」
『そこまでひどくないわ、ありがとう』
「そうか、良かった」
「せっかくだから大広間まで一緒に行きましょう」
「あぁ、手を貸そうか?」
「大丈夫よ、セブ。ありがとう」
『ありがとう、セブ』


三人で大広間まで歩く。
ゆっくりとしか歩けないから、
大広間に着くのがいつもより遅くなってしまった


「エリー、これからは気を付けてくれ」
『うん!本当にありがとう』


セブと別れてグリフィンドールの席に着く
遅い時間帯だったから、友達がたくさんいた
みんな駆け寄ってきてくれたのでお礼を言う
全員に言えたわけじゃないけど…
リリーとご飯を食べているとあの大きな声


「リリー!!!」
「ポッターが来たわよ、エリー」
『夢で見ていたから久しぶりって感じがしないわ』


ポッターが走ってこっちに来る


「おやおや!エリーじゃないか!
 もう医務室から出ても大丈夫なのかい?」
『えぇ、おかげさまで。お見舞いに来てくれたんでしょ?
 ありがとう。お菓子も美味しかったわ』
「お安いごようだよ、エリー」
『シリウスとペティグリューもありがとう』
「おう、良くなって良かったな」
「ど、どういたしまして…」
「シリウスが凄く心配していたよ」
「リーマス!余計なこと言うなよ!」
『そうなの?(くすり)心配かけてごめんね?シリウス』
「…これからは気を付けてくれよ」
『うん、肝に命じておくわ』


あのシリウスがねぇ?ふふふ
そんな話をしていると、レイブンクローの席から
女の子が一人こちらに歩いて来た


「シリウス」
「あ?お前っ…こっちには来るなって言っただろ」
「でも…」
「行くぞ」
『……だれ?』
「あー、シリウスの彼女?」
『なんで疑問系なの?(笑)』
「シリウス、モテるから僕たちもよく分からないんだ」
「あら、一昨日は違う女の子を連れていたようだけど?」
「それは…その…」
『プレイボーイなの?シリウス』
「そうよ、エリー。いい?
 危ないからブラックに近づかないで」
『危ないって…(笑)』
「エリーもブラックの毒牙にやられるわよ?」
『言い過ぎよ、リリー(笑)』
「いいえ、エリー。あなたは三ヶ月も眠っていたから
 分からないと思うけど、ってポッター!!
 隣に座らないでちょうだい!」
「え?いいじゃないか、リリー」
「お断りよ」
「行くよ、ジェームズ。またね、エバンズ姉妹」
「さ、さよなら…」
『またねー、本当にありがとう!』


リーマスに手を振る
ポッターは引きずられていった


「そうだわ、エリー。週末にみんなが来るって」
『みんな…って?』
「ママ、パパ、ペチュニアよ。あなたの様子を見にね?」
『あぁ、本当に心配かけちゃったわね』
「そうよ、もう絶対無茶はしないで」
『分かってるわ、リリー。
 三ヶ月も無駄にしちゃったんですもの』
「そういう問題じゃないでしょう!?」
『リリー!もうこんな時間よ?』
「あ!もう行かなくちゃ…エリー一人で大丈夫?」
『大丈夫よ。安心して』
「分かったわ、じゃあまたお昼にね」


リリーと別れて私は校長室へ向かう
あぁ。今日は誕生日にもらったプレゼントを忘れたわ
悪戯仕掛人がくれた髪留めにもブローチにも変わる物
普段はブローチとして付けている方が多いかしら…?
あれがあるから、みんな迷わず私の名前を
呼んでくれてると思うのよね〜(笑)


「あ、エバンズさん…!」
『私…?』
「あぁ、僕はなんてラッキーなんだ!
 エバンズさん、僕…あなたが好きです」
『ごめんなさい、私はあなたのこと知らないから…』
「知らない…?毎日会ってるじゃないか」
『え?毎日会ってる…?あの…勘違いじゃ』


この人、リリーと私を勘違いしてる
そう言おうとしたら、手を凄い力で掴んできた


『ちょっと!離してよ!』
「勘違いじゃない…!君は毎朝僕と…」
『だからそれは私じゃなくて』
「おい、何やってるんだ?」
『シリウス!この人勘違いして…』
「うるさい!勘違いじゃない!お前っ来るな!」
「ちっ。うるせぇな…インペディメンタ」
「ぐわっ…!」
『ちょ、ちょっと!シリウス!やり過ぎよ!?』
「あー、こいつ最近エバンズにまとわりついてた奴だな」
『そうだったの…?』
「あぁ、エリーは眠ってたから知らないのも無理ねぇ」
『……分かるの?私がエリーって』
「俺のこと、シリウスって呼ぶのはエリーだけだ」
『あぁ…リリーはブラックだから…』
「でもよ。ここ三ヶ月リリーの方しか見てなかったから
 なんとなく、違うのは分かるかも…」
『本当…!?』
「あぁ。なんとなくだけどな」
『そう…とにかく助けてくれてありがとう
 でもこの人どうするの…?』
「ほっとけばいいだろ」
『ここに!?それは無理よ…!』
「自業自得だろ」
『そうだけど…』
「お困りかな?」
『「ダンブルドア先生!」』
「その子はハウスエルフに任せよう
 シリウスはもう授業に出るのじゃ、いいね?」
「はい、先生。エリー、またな」
『あっ、うん!ありがとう』


シリウスは右手をあげて去って行った
先生はハウスエルフを呼び男の子を運ぶように言った


「エリー、ワシと行こうかの?」
『はい、先生』
「美味しいお茶菓子を用意しとるよ」
『本当ですか?楽しみです』


私はダンブルドア先生とガーゴイルに乗り
校長室へ向かっていった。


「さぁ、お入り」
『失礼します』


わぁ…いつ来ても不思議な部屋…
たくさんの物に溢れてる
見ているだけでも楽しいわ


『綺麗な鳥…』
「不死鳥じゃよ。知っておるかな?」
『不死鳥…あの生まれ変わるという?』
「そうじゃ。とても美しい鳥じゃ。フォークスという」
『フォークス、よろしくね?』
「ホォー!」


フォークスのくちばしを撫でてやると
嬉しそうに声をあげてくれた


「座りなさい」
『はい、ありがとうございます』
「正直に話してくれるね?」
『はい…』
「一体何をして魔力を使いすぎたのかな?」
『強力な呪文の練習を連日していて…
 体調が悪いのは分かってはいたんですけど
 もう少し、もう少しと伸ばしていたら…
 倒れてしまいました。あの…ごめんなさい
 先生にもご心配をおかけしてしまって…』
「次から気を付けてくれればいいのじゃよ
 間違いは誰にでもあるからのぅ」
『ありがとうございます』
「夢の話にうつろうかの?」
『はい……』


私は一番にヴォルデモートの夢の話をした
マグルを捕まえ、拷問し、殺した夢。
するとダンブルドア先生は驚くべきことを言った


「その事件は既に起きてしまったことじゃ…
 未然に防ぐことは出来ん。」
『そんな…』
「……まずいことになる前に忠告しておこう
 無理な詮索はやめるのじゃ、いいね?」
『はい、ダンブルドア先生』
「ヴォルデモートに気付かれていないといいが…」
『ヴォルデモートに…ですか?』
「いいかの、エリー。夢見の力はむやみに他人に
 話してはならんからの…?分かっておると思うが…」
『はい、危険ですから…』
「よろしい。他の話も聞こう」


それからセブの話や、他の未来の話をした
ダンブルドア先生は私にしっかり用心するように
未然に防げる物は防いでおこう
とおっしゃってくださった。

それから、補講は暗記の物は免除
(私が四年生の教科書まで記憶しているから)
実技が必要な物だけ、放課後に先生方と
マンツーマンで練習することが決定された。
……なかなかアニメーガスの練習が進まなくなる
仕方ない…これも自分のせいだから




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