プロローグ

私の名前はエリー・エバンズ
私には大好きな両親と双子のリリー
そして姉妹のペチュニアがいるの!
私とリリーは一卵性双生児だからお互いが
楽しい時や辛い時は離れていても感じる…

最近リリーは新しく出来たお友達と遊ぶのが
とても楽しいみたい…でもそのお友達も
リリーと同じ不思議な力を持っているから
なんとなく一緒に行きづらくて…
私はそのお友達とはまだ遊んだことはないの。

ペチュニアも私もまだ不思議な力は使えないから、
仲間外れになりたくなくてペチュニアと一緒にいるの…


双子のリリーは使えるのに、どうして私は使えないんだろう?


「ねぇ、エリー!明日は一緒に
 セブルスの所へ行きましょうよっ!」
『またその話?リリー…私は不思議な力を使えないのに、
 セブルスくんに会っても二人の邪魔をするだけじゃない』
「違うの!セブルスが一緒に練習しようって言ってるの!
 セブルスの家に不思議な力に関する本があったらしいのよ!
 エリーならその本を読めば使えるようになるわ!」


それでリリーの心がこんなにもぴょんぴょん飛び跳ねてたのかぁ…


『う〜ん…でもセブルスくんとは初対面なのにいいのかな…』
「もちろんよ!セブルスには私がよく2人の話をするから
 よく分かってるし大丈夫よ!だから一緒に行きましょう?」
『…分かったわ、リリー。明日ならね』
「ありがとう、エリー!大好きよ!」


そう言って熱烈なハグをしてくるリリー。
リリーが喜んでくれると私も嬉しいから良いかな…?
その日も私とリリーは同じベッドで眠りについた


「さぁ!エリー、行くわよ!」
「どこに行くの?」
『今日はリリーと遊んでくるね。
 ペチュニアは映画に行くんでしょ?』
「そうよ、友達と行くの。エリーも一緒に行くかと思ってたのに…」
『ごめんねペチュニア。久しぶりにリリーと二人で遊ぼうと思って』
「リリーと二人ならいいわ。いってらっしゃい」
『「いってきま〜す!」』


ガチャ、バタン


「ねぇ、エリー。
 どうして二人でなんて嘘ついたの?
 嘘ついてたのがバレたらすっごく怒るわよ?」
『リリー。ペチュニアは言わないけど、
 自分が不思議な力を使えないこと嫌みたいだから
 内緒にしておいた方がいいかなって思ったのよ…』
「そう…セブルスには途中でたまたま会った。
 そういうことにしておきましょう、ね?」
『うん、そうしよう』
「リリー…」
「セブルス!今日も早いのね?」


リリーから話には聞いてた、聞いてたよ?
聞いてたけど…思ってたより暗そうな子…
全身真っ黒の服、真っ黒の髪、真っ黒の目…
そして真っ黒な本を持ってる。
あれが不思議な力の本…?


「セブルス、双子のエリーよ!」
『こんにちは、エリーよ…よろしくね』


そう笑って手を差し出せば顔を赤らめて手を握ってくれた。
その手はとても温かかった


「…セブルス・スネイプだ。
 エリーと呼ばせてもらう」
『うんっ、私もセブルスって呼ぶね』
「セブルス!本は持って来てくれた?」
「あぁ、一緒に読もう」


大きな木の下にリリー、セブルス、私
三人で腰掛けて本を読み始める…
不思議な力は"魔法"と言うらしい。
魔法を使えるか、使えないかは産まれた時に
魔力を持っているか、いないかで決まる。
魔力を持たない人間のことを"マグル"と呼び
マグルから魔力を持つ者が生まれる事もある。

……じゃあ私とペチュニアはマグルなのかな?
リリーだけが魔力を持って生まれたのかしら…


「エリー、見て!魔力を持っているか
 どうか確かめる簡単な呪文が書いてあるわ!
 今は魔法が使えない人でも魔力があれば
 この呪文を唱えるだけでいいって!
 やってみましょうよ、エリー」
『でも…怖いよ。私だけ魔力がなかったら…』
「魔力が無くても友達だ、エリー」
「そうよ!セブルスの言う通り!
 魔力が無くてもずっと一緒だわ!」
『セブルス、リリー…うん!やってみる!』


二人が見守る中、そっと心の中で呪文を
唱えるとふわ〜っと温かくなった気がした。
……あぁ、私には魔力があるんだ。
なぜだか分からないけど、そう思った。
それは二人も同じらしくリリーは私の手を
ぎゅうっと握りながら涙目で見ている。


「あぁ、エリー!
 やっぱり私たちは双子なのよ!嬉しいわ!!」
『リリー…私も嬉しい…それに私…この光景…
 夢で見たわ…やっぱりこれも魔力なのかしら?』
「また、正夢を見たの?あなたって本当…」
「正夢を、良く見るのか?」
『そうなのよ、セブルス。
 夢で見たことがよく現実でも起こるの。
 リリーが魔法を使うところも夢で見たのが最初よ』
「エリーは未来を、見れるのか?」
『「未来を…?」』
「あぁ、この本には"預言者"なる者がいると
 書かれている。エリーはこの預言者に
 当てはまるんじゃないのか?」
「エリーったら凄いわ!!!この子、
 瞬間記憶能力っていうのも持ってるのよ!」
『一度読んだり、見たことは絶対忘れないの』
「凄い双子を持ったな、リリー」
「えぇ、本当にそうだわ!あぁ、エリー!
 ひとつぐらい私に分けて欲しいわ(笑)」


その日私たちは、出来る限りの魔法を使って
遊んでいた。本当に楽しくて、またセブルスと
リリーとここで遊ぶ約束をして帰った



「遅かったのね」
『ペチュニア、映画は楽しかった?』
「えぇ。でもエリーがいたらもっと楽しかったのに…」
『今度また一緒に行きましょう?』
「約束よ?」
『うん、約そー』
「リリー!!エリー!!!」
『「どうしたの?ママ、パパ」』
「ホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が
 届いたのよ!それも二人ともに!!」
「え!?本当!?ママ!!」
『私、にも…?』


ばっ、とペチュニアの方を向くと
もうペチュニアはそこにはいなかった。
……傷つけてしまったかしら…


「あぁ、なんて名誉なことかしら?!
 我が家に魔女を授かった!しかも双子の!」
「嬉しいわ!ママ!エリーと一緒に
 ホグワーツに通えるなんて!
 ね?エリーもそう思うでしょ?! 」
『うんっ、もちろんよ!双子だもの!』
「セブルスも行くかしら!?」
『魔法を使えるんだから行くわよ、きっと』


こうして私とリリーがホグワーツに通うことが決まり、
私もペチュニアとは気まずい時間を過ごすことになった…
逆にセブルスと凄く仲良くなり、
魔法界のことをたくさん教えてもらった。
そして三人でホグワーツ特急のコンパートメントに乗り込む
という約束をし、とうとうホグワーツ特急に乗る日がやってきた…



→詳しい説明

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