夏休み最終日

今日はリリーとペチュニアと遊ぶ予定だ
ここにはたくさんの面白い店があるから
きっとペチュニアも楽しんでくれるはず
でもまさかここで、あいつらに会うとは
思わなかったけどね…


「リリー?リリーじゃないか!」


嫌な声、そう。ポッターだ。


「リリー!エリー!」
『行きましょう』
「呼ばれてるわよ…?」
「いいえ、呼ばれてないわ」
『世の中には知らない方が良いこともあるのよ』
「そうね、エリーのいう通りだわ」
「そう…?」
「リリー!おーい!なんで無視するのさ!」


ペチュニアの手を引いて、進もうとした
目の前にシリウス・ブラック


「通してちょうだい」
「断るといったら?」
「リリー!!」
『あーあ、追いつかれちゃった』
「やっぱり知り合いじゃない」
「やぁ、はじめまして。僕はリーマス
 エバンズ姉妹とは学校が同じなんだよ」
「…ペチュニアよ」
「よろしくね」
「リリー!それにエリーも会いたかったよ!」
「友達なの?」
『「いいえ、違うわ」』
「いい?ペチュニア。誤解しないで」
『こんな奴と友達なわけないじゃない』
「ひどいなぁ、エリー」
『リーマスは友達よ、ポッターのこと』
「僕は君たちの将来のお兄、ぐは」
「黙りなさい!ポッター!!行くわよ」
『じゃあね〜(笑)』


リリーはペチュニアの手を引いて歩く
今日はペティグリューはいなかったようだ


私の中で今日は作戦がひとつある。
前もセブとリリーを二人っきりにしたように
今日もペチュニアとリリーを二人っきりにするつもりだ
少しでも二人の関係が前のように戻ることを祈って…


『あぁ!!!!』
「「どうしたの?エリー」」
『あぁ、しまった。忘れてたわ!私ったら…
 ダンブルドア先生にお使いを頼まれてたの
 今から買いに行かないと…!』
「ついて行きましょうか?」
『ううん、大丈夫よ。すぐ終わるから』
「そう、分かったわ」
「また後でね、エリー」
『ええ、後で』


本当は忘れてなんていなかった
わざと買わなかったのだ(笑)


本屋さんに到着。
昨日、教科書を買ったところだ。
ダンブルドア先生に頼まれていたリストを見る


『んっと?ここら辺かしら?』
「一緒に探しましょうか?」
『えぇ、お願いします』


親切な店員さんと一緒に探す
見つけたはいいが、少し高いところにある
店員さんも私も杖を持っていない…
まぁ、私は持っていても使えないけど。

店員さんが一生懸命背伸びをして取ろうとする
……届いた!!


「あぁ!良かった。お待たせしました、これを…」
『本当に助かりました、ありがとうございます』


本を受け取ろうとした瞬間


「おい!危ない!!」


誰かの声が聞こえて、見えたのは本が落ちて来るシーン
だがすぐに誰かに遮られた


「大丈夫か?っていて!いて!なんだ!?
 何もないのに、衝撃だけが降って来る!」
「あぁ!!大丈夫ですか?多分ここに
 透明の本が積んであったんですよ…
 私共も探していた本なんですけど、
 なんせ透明で見えないものでして…(苦笑)」
「いってぇ…おい、エリー当たってねぇよな?」
『え、えぇ…』
「良かったな、これ結構重くて痛い」


ちっ、と舌打ちをする彼
そう。本日二度目のシリウス・ブラック
あぁ…彼がかばってくれた…


『ありがとう、シリウス。大丈夫?』
「あぁ」
「シリウス!」


ばしっとポッターがシリウスの背中を叩く


「いってぇ…何すんだよ!」
「ずいぶんかっこいいことするじゃないか!
 まるで王子様みたいだ!」
『王子様?(笑)』
「笑うなよ、エリー。ほら、行くぞ」


シリウスはポッターを引っ張って行ってしまった
少しだけ、ほんの少しだけ…
シリウスがかっこよく見えたのは内緒だ


「エリー」
『……!?リーマス!?い、いたの?』
「レジにね。大丈夫だったかい?」
『えぇ、シリウスのおかげで』
「あの馬鹿犬もたまには役に立つんだね」
『あははっ、馬鹿犬?シリウスにぴったしね』
「我ながら良いあだ名だと思うよ」


リーマスと少しの間、談笑をしてわかれた
リリーとペチュニアはどこかしら?



探したけど見つからず宿に戻った
すぐ二人も戻ってきたけど怒られた(笑)


『どうしても見つからなかったのよ』
「もういいわ、私達もそう思ったの。ね?ペチュニア」
「うん、そうね」


リリーとペチュニアは少し距離が近くなったようだ
良かった、良かった


「エリー、デザート食べる?」
『食べる!ペチュニアが買ってきてくれたの?』
「うん、リリーと選んだわ。はい、エリーの。
 ママとパパにも渡してくるわね?」
『ありがとう』


ペチュニアはパタパタと走っていった


『楽しかった?』
「えぇ、ありがとう、エリー」
『いいえ』


リリーとウィンクをしあった(笑)


その日も家族みんなで晩ご飯を食べて
明日の準備、列車に乗る準備をして眠りについた
今日あった出来事を思い返しながら……



→あとがき

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