夏休み25日目

今日はセブとリリーとお出かけの日だ
三人で漏れ鍋へと向かう
今日のために昨日は早く寝て、体調を整えてきた
少しでもアニメーガスになるための本を
見つけて買うか読むかしなければ…


「エリー、聞いてるの?」
『あ、ごめん。リリー…何?』
「上の空ね…まぁいいわ。
 まずどこの店に行きたいかって話してたの」
「どこでもいい」
『私は本屋に行くわ。お昼に合流しましょう?』
「また本なの?エリー」
「たまには本の事は忘れろ」
『どうしても読みたい物があるの、お願い』
「はぁ…仕方ないわね。じゃあ12時に
 漏れ鍋で合流しましょう。お昼は必ず
 一緒に食べるのよ?エリー。いいわね?」
『えぇ、もちろんよ。必ず行くわ』


それからセブとリリーは午前中に
どこを回るか相談し始めた
しめしめ、思った通りよ!ふふ


そして漏れ鍋に着き、二人と別れた
私は一直線に本屋へ…
本当はノクターン横丁の方が色んな物が
読めるんだろうけど、さすがにあそこに
行く勇気はないわ…暗くて危ない所だから
絶対に行くな、とセブにうるさく言われてるし…

とりあえず一番大きい本屋に向かう
変身術、変身術…あったわ!
"アニメーガスになるための準備"
げ、こんなにあるの?
分厚い上に、2や3と次々に続いていく…
午前中で読みきれるかしら?
とりあえず人の邪魔にならない所で立ち読みを始めた
さぁ、頑張ってもらうわよ?
私の瞬間記憶能力さんにっ!(笑)


「…、…ったら…!エリー!!!」
『…っ!?り、リリー…驚かさないでよ…!』
「今何時だと思ってるの?もう13時よ?」
『え!?もうそんな時間!?』
「遅い」
『ごめんね、セブ、リリー
 つい夢中になっちゃって……』
「まったく…何を読んでいたの?」
『変身術の本よ、一冊だけ買うから外で待ってて』
「分かったわ、行きましょうセブ」
「あぁ」


危ない危ない…
リリーにバレるとこだった…

私は、アニメーガスになるために理解しなければ
ならない倫理が少しと、練習方法やコツが
書いてある本を購入することにした。
とっても分厚いけど、初歩的な物は省いてあるし
これからホグワーツで練習するなら、きっと
この一冊が役に立つだろうと思った


『これください』
「…君が読むのかい?」
『まさか。先生のお使いです』
「あぁ、それなら安心したよ。君みたいな
 若い魔女にアニメーガスはまだ早すぎるからね」


ニコっと微笑んで返事をすれば
店員もにこっと微笑んで本を売ってくれた
まさか、この本を買うのにそんな質問を
されるとは思いもしなかったが…
自分用って言わなくて良かったみたい


本を鞄の奥底にしまって店を出る


『お待たせ、リリー、セブ』
「やっと来たわ」
「昼食を取りに行くぞ。」
『は〜い』


正直、立ち読みするのにも疲れて来た
ところだったからちょうど良かったわ
セブもリリーもお腹がぺこぺこみたい

漏れ鍋でご飯を食べながら二人が午前中に
回った店や、したことを聞いて過ごした
薬草専門店があるらしく、そこに行ったと
聞いた時はやっぱり本屋にいて正解だったと
心の底から思った…(笑)
セブとリリーは楽しめたようだ
作戦成功かしら?ふふ


午後一番、アクセサリーショップに行った
リリーが私たちの目の色と同じネクタイピンを
見つけたらしく、三人でお揃いにしようと
言うので、もちろんすぐに賛成した。
デザインも可愛いし男の人も付けれる物で
すぐに三人で購入した。

それからペットショップに行き、買う予定はないけど
ダラダラとたくさんの動物達を眺めていた
店員さんが真っ黒な猫に触らせてくれた
そうね、もしペットを買うなら、ふくろうか
真っ黒な猫がいいわ…そう思った。

思ったよりペットショップに滞在していたらしく
ペットショップを出てからジェラートを食べて
ジェラート屋さんでたくさんお喋りをした

そして夕方になったので、漏れ鍋の
フルーパウダーを使ってセブの家へ…

セブにお礼を行ってから別れて家に帰った

ペチュニアにお土産のお菓子をあげると
素直に受け取って喜んでくれたから良かった…


寝る前に今日読んだ本のことを思い出して
頭の中を整理しておいた。なんとなくだけど(笑)


そして次の日、セブがわざわざ家まで来て
私のことを呼んだ。私だけを…


『どうしたの?セブルス…珍しいわね?』
「昨日買っていた本の事だが…」
『本が…どうかした?』


正直、凄くどきりとした
でも平然を装って話を続ける


「アニメーガスの本だろう?
 エリーが読み終わって、その本を
 使わなくなってからでいい。貸してくれ」
『……セブ、あなた変身術は得意ではないでしょう?』
「確かにそうだ。だから使い終わったらで構わない
 それまでに変身術の技術スキルをあげて
 おけば問題は何もないはずだろう…?」
『それもそうね…でもリリーには内緒よ?
 アニメーガスの練習はしない約束なの』
「あぁ。分かった。どちらにせよ出来ないだろ」
『学校の外だものね…』
「そうだ。間違っても魔法は使うなよ」
『分かってるわよ、セブ(笑)』
「分かってるならいい。」
『えぇ。今日はどうするの?このまま遊ぶ?』
「いや、今日は帰る。母の付き添いで病院に行く」
『おばさま大丈夫なの?』
「今のところは平気だ。」
『そう…お大事にって言っておいて?』
「あぁ、分かった」
『気を付けてね?』
「あぁ。リリーによろしく」


セブはそう言うと去って行った
リリーにも会って行けば良かったのに…
本当に急いでたのかしら?
まぁ…リリーにバレない方がいいから、
別にそれはそれでいいんだけど…


その日は結局、一日部屋の掃除をしたり
庭の掃除を手伝ったりして、働いた

そのせいか、夜になるとすぐに眠りに
ついてしまった…本を読もうと思ってたのに




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