日が暮れた。
まだ町には着かない。
ダリルいわく後少しで着くらしいけど、
こんなに暗いんじゃ走りにくくて仕方がない。
今は無い街灯のありがたさが身にしみる…


「エリー、着いたぞ」
『うっそ……』


ダリルの言葉に町をライトで照らすと
壁が壊れて中にウォーカーが溢れていた。
早くみんなを助けださないと…!
バイクを止めてゲートに走るが固く閉まっている。


『だめ!閉まってて開かない!』
「上から乗り越えるか誰かを呼ぼう」
『私も乗せて!町の様子を見せて!』


エイブラハムに助けてもらいトラックの上に乗る。


「グレン!!グレーン!!」
『マギー…!エイブラハム!サシャ!グレンを援護して!』
「了解」
「任せて!」


マギーの声に気付き、目線を追うと
ウォーカーに囲まれたグレンを見つけた。
3人でウォーカーを撃ち殺し、グレンを助けた。


『グレン!!』
「ゲートを開けてくれ!頼んだぜ」


マギーとグレン、イーニッドが私達に気が付いた。
ダリルにトラックを移動してもらう様に頼み
マギーとイーニッドを監視台からこちらに移動させた。


「エリー…!無事で良かった…!」
『マギーとイーニッドも!何があったの?』
「向こうの監視塔が倒れて壁が壊れたの…」
『みんなは!?お兄ちゃんはどうなった?』
「ハリーは老人を教会に避難させてたわ」
「ゲイブリエルが一緒にいるはずよ」
『そう…ウォーカーが散らばり過ぎね…』
「おい、エリー!全員そこから降りてこい!」


降りるとグレンが車から降りてきた。
軽くハグを交わすと、ダリルから作戦を聞いた。
ウォーカーの気をそらし、一掃する作戦だ。


「おーけー。やるしかない」
『やろう、みんなを助けなきゃ』
「よし。やるぞ。エリーは近くに」


ダリルの合図で全員でダリルを援護する。
ウォーカーをナイフで殺していると
ダリルが後ろから私の名前を呼んだ。


「ほら、こいつをぶっ放せ」
『ありがとう。的が大きいから外さないね』


ダリルからロケットランチャーを受け取り
ガソリンを流した場所に撃ち込んだ。
高らかに炎が上がり、ウォーカーが引き寄せられる。
それから私達は夜通しウォーカーを殺し続けた。


「町の奥に行くぞ。残ったやつがいないか確認しに行く」
「マギー、グレンは医療所でイーニッドと待機していて」
「俺も行くよ。イーニッドはマギーに任せる」
『グレン、奥さんの側を離れちゃだめ』
「…あぁ、分かった。ありがとうエリー」


夜が明けて町の中の悲惨な状況が
自然と目に入って気分が落ち込む…


「行くぞ。サシャ・エイブラハムはあっちからだ」
「町の向こう側で合流ね?行こう、エイブラハム」
「門も寄って見てこよう。また集まってると困る」


サシャ・エイブラハムが左回り
ダリルと私が右回りで町を半周ずつする。
ちょうど町の奥で会えるはずだ。


「問題が無ければ教会にも寄れる」
『ありがとう。まだ教会にいるかな?』
「教会付近にはいるはずだ。住民が中にいるならな」


ダリルが右回りにしてくれたのはこのためだったんだ。
私がお兄ちゃんの無事を確認したいだろうと思って…?
彼の優しさに嬉しくなって大きな背中に抱きつきたくなった。
いま、そんなことしたら怒られるだろうからしないけど。


「リック!」
「ダリル、エリー…無事だったか…」
『リックもケガはない?カールとジュディスは?』
「ジュディスは教会でゲイブリエルが見ている。
 カールは……ロンに目を撃たれて意識不明だ…」
『…え?目を撃たれた?何を言って…』


リックの顔を見ると今にも泣き出しそうな顔をしている。
カールが撃たれた…しかも目を…?信じたくない…


「俺とエリーは町を見回る。
 サシャ達も反対側から見て回ってる。
 リックはここでカールの側にいてくれ」
「俺も一緒に……」
『リック。カールは絶対大丈夫だよ。
 体にショットガン撃たれても元気になったもん。
 リックとローリの子供だから、また立ち直るよ』


リックにハグをして背中をぽんぽんと叩くと
力なく"あぁ…"と言って抱きしめ返してくれた。


「町の事は任せろ。リックは息子の側にいてやれ」
「……昔、シェーンにもそのセリフを言われた…」
『相棒時代の彼なら今ここにいてもそう言うはず』
「……そうだな。町の事は任せる。問題があれば
 診療所の奥のベッドルームにいるから来てくれ」
「分かった。エリー、行くぞ」


リックと別れて更に町の奥に進む。
何体か殺し損ねているウォーカーを始末し
無事に教会まで辿り着いた。

コンコン


「中に誰かいるか?」
「少し待ってくれ、すぐ開ける」


中から出てきたのはゲイブリエルだった。
返り血を浴びてはいるが、ケガはなさそうだ


『ゲイブリエル、お兄ちゃんは!?』
「今は中にいる。昨晩の戦いで負傷して―」
『どいて!!』


ゲイブリエルを押しのけて中に入った。
"お兄ちゃん!"と叫べば奥から返事があった


『負傷したって!?』
「平気だ。噛まれた訳じゃないんだ」
『早く診療所に行かなきゃ…見て貰おう…』
「あぁ、…っ。町は?どうなった?」
『ウォーカーは殲滅した。問題がないか見回ってた所』
「そうか……人間とウォーカーの襲撃で大勢死んだ…
 これ以上、犠牲が出なければいいんだけどな…」
『犠牲にならない様に手当てしなきゃ』
「ハリー。平気か?」
「やぁ、ダリル。傷が痛むけど、平気だ」
「2人が来てくれたから診療所に行こう。
 私がハリーに手を貸して連れて行くよ」
「すまない、ゲイブリエル」
「いいんだ。さぁ、肩に掴まって」
『ありがとう、ゲイブリエル…』
「君のお兄さんは任せてくれ」


ゲイブリエルに肩を借りてお兄ちゃんは診療所へ。
どうして出来たのか分からないけど、
血がたくさん出てしまっている…
感染症も心配だし早く止血して縫ってもらわないと。


「ねぇ…私達はどうすればいいの?」
「まだここにいた方がいいのか?」
「町の安全を確認するまではここにいろ」
『私達が出たらもう一度、鍵をかけて下さい。
 町の安全が確認出来たら皆さんを迎えに来ます』
「分かった。よろしく頼むよ…」
『ジュディスのこともお願いします』


最後におてんば娘の頬にキスをして
私とダリルは教会の外に出た。
向こう側からサシャ達が走って来るのが見えた。


「こちらは問題無しだ」
「こっちも壁が壊れていること以外は問題無し」
「負傷者はいたか?」
「全員、ディアナの家の前に集まってる。
 エリックの足以外はみんなかすり傷だけさ」
「重症なのはカールとハリーか…」
「2人共どうしたの?もしかして噛まれて…?」
「噛まれてねぇ。不慮の事故だ」
『ダリルも傷を縫ってもらわなきゃ』
「そうよ。町の事はひとまず私達に任せて」
「……(頷く)リックは診療所の奥のベッドルームだ。
 カールの側にいるように言った。何かあればそこに」
「えぇ、分かった。エイブラハム」
「あぁ。行こう」
『あ、教会に隠れてる人達のこともお願い出来る?』
「もちろんよ。任せてちょうだい」


サシャ達を見送ると診療所に向かった。
中に入るとちょうどお兄ちゃんが処置されていて
奥にはマギーとグレンがお互いを手当てしていた。


<いってぇ!>
「ハリー、英語で話してちょうだい」
『"痛い"って言ってるだけだから無視して大丈夫よ』
<麻酔無しでやるなんて、ありえねぇ……>
<うるさいよ。しょうがないでしょ>
<分かってるけど痛すぎる!!>
「ハリーは何て?」
『麻酔無しだとこんなに痛いのかって』
「アドレナリンが出てるからまだましでしょ?」
『頑張って。後少しで終わるから』


お兄ちゃんの手を握って、額の汗を拭いてあげた。
たくさん血を流したからか顔は蒼白だ。


「デニース。これ、ありがとう」
「もう手当ては済んだの?」
「あぁ。マギーも大丈夫だ」
「ハリー、顔が蒼白ね…大丈夫?」
『ねぇ、輸血とかってしなくてもいいの?』
「ハリーとエリーの血液型は一緒?」
『一緒よ。2人ともO型。私の血を輸血する?』
「最近、薬を飲んだ?それから血が出る様なことは?」
『薬も飲んでないし、血も流してないよ。健康です!』
「おーけー…200mlだけ輸血しましょう。
 ハリーの傷を縫い終わったら準備するわ」
「大丈夫だ。輸血の必要はない」
『いいからケガ人は黙ってて』
「何か手伝えることはある?」
「タラ、ちょうどいい所に。」
「じゃあ私達は邪魔にならない様に出てるわ」
「カールの目が覚めたら呼んでくれると嬉しい」
「ハリー、お大事に」
「あぁ、ありがとう」


着替えたタラが入って来て輸血の道具を揃えた。
同時にグレンとマギーが診療所を出て行く。
傷を縫い終えたら、お兄ちゃんに輸血開始だ。


『……痛くしないでね』
「怖いなら別の方向を見ていたら?」
『うん、そうなんだけど……』


輸血をする = 注射針を刺される
このことをすっかり忘れていた…
針を刺されるのはCDCで血液検査した以来だ…


「エリー。こっち見てろ」
「気分が悪くなったら言ってね」
『うん…ありがとう』


ダリルを見つめていると針が差し込まれた。
眉間にしわが寄るとダリルが優しく眉間を撫でた


「相変わらず注射は怖いのか…?」
『注射なんかが怖いなんておかしいよね』
「そうは言ってねぇだろ?怖いものは怖い」


ダリルの言葉に笑うと優しいキスが降って来た。
お兄ちゃんの前でこれは恥ずかしい……
思わず顔が赤くなった私を見てダリルは鼻で笑った。


「エリー、じっとしててね」
『えぇ。あ!次はダリルをお願い』
「傷を見せて」


ダリルは私から離れて治療台に座って傷を見せた。
黙って縫って貰っている彼から視線を外して
横たわっているお兄ちゃんの手を握った。


『気分はどう?』
「それは俺のセリフだ…」
『私は至って健康体だよ。ケガもないし。
 本当に…お兄ちゃんが生きてて良かった…』
「心配かけてごめんな。輸血もありがとう」
『(首を横に振る)同じ血液型で良かったね』
「あぁ、助かったよ」
「冷たいタオル置くね」
『ありがとう、タラ』


力なく笑うお兄ちゃんにタラが濡らしたタオルを置いた。
傷のせいかすでに熱が出始めている。


「ハリー。具合はどうだ?」
「あぁ…これくらいどうってことないよ」
「これを機にゆっくり休め」
「ありがとう、エイブラハム」


診療所に入って来たエイブラハムは水を置くと
彼独特のピースをしてまた町の中へと戻った。
扉が開いた瞬間に入り込んでくる腐敗臭。
あぁ…死体の後片付けが大変だな……


「はい、これでいいわ。傷口が開いちゃうから
 しばらくは外に行くのは禁止。激しい動きはしないで」
「これくらい平気だ」
「平気じゃないの。寝てろとは言わないから」
『ダリル、お医者様の言う事を聞いて』
「やだエリー、お医者様だなんてそんな…」
『デニースは立派なお医者さんだよ』


そう言うと照れくさそうに笑った彼女。
そんなデニースを見てタラも笑顔になった


「デニース!少しいいか?カールが目を覚ました!」
「すぐ行くわ!あなた達はここにいて!」


カールが目を覚ましたと聞いて今すぐカールの元へ
飛んでいきたい気持ちはあるけど、針が刺さっている。
さすがの私でもこの状況で行くという選択肢はない


『カールはA型なんだよね…輸血してあげられない』
「血液型が一緒だろうが当分無理に決まってる。」
『そうだけど……この後、話してもいいのかな?』
「カールの体調が良ければ少しくらい会えるだろ」


デニース、早く戻って来て〜!
私の祈りが通じたのか彼女の帰還は早かった。


『ねぇ、後でカールに会ってもいい?』
「えぇ。いいわよ。彼思ったより元気そう」
『だってカールだもの!タフガイなのよ!』
「おい、先にカールに会って来る」
『えっ、ずるいよ!ダリル!!』
「エリーはまだダメよ。もう少し待って」
「お前はお医者様の言う事を聞いてろ」


やられた……
さっき言った言葉をそのまま返された…
ダリルを悔しそうに見ると鼻で笑って
カールとリックのいる部屋へ入って行った。

お兄ちゃんはさっきまでは起きていたけど
カールが目を覚ましたと聞いて安心したのか
ウォーカーや傷、熱のせいかは分からないが
輸血の最中だけど眠ってしまった。


「いいわ。針を抜くわね。これで押さえてて」
『分かった、ねぇ。もう行ってもいい?』
「急に動くとめまいがするわよ。水を飲んで」
「はい、エリー。クッキーも食べて」
『ありがとう、タラ』
「私もチラッと見てきたよ。起きて話してた」
『まだダリルは話してるのかな?ズルい〜!』
「噂をすればダリルが出てきたわよ」
『ダリル!カールは元気そうだって?』
「あぁ。意識もしっかりしてる。大丈夫だ」
『良かった。ダリルはどこか行くの?』
「町の修復について聞いてくる」
『分かった。無理しちゃだめだからね』
「はいはい」


ダリルは右手をあげると外に出て行った。
私も水とクッキーをゆっくり味わって食べた。

コンコン


『入ってもいい?』
「あぁ、どうぞ」


部屋に入るとカールが起き上がって水を飲んでいた。
頭から目にかけて巻かれている包帯が痛々しい…


「エリー」
『カール、抱きしめてもいい?』
「うん、いいよ」


ちょっと恥ずかしそうに笑ったカールを優しく抱きしめる。
カールも私の背中に手を回して抱きしめてくれた。


「ジュディスはどこにいるの?」
『ゲイブリエルと教会にいるわ。
 今から連れてきましょうか?』
「いや、ジュディスがここにいたら寝れないだろ?
 妹はパパに任せてカールは眠って体力を回復してくれ」
『ジュディスにはお兄ちゃんが頼りだもんね』
「あぁ、そうだ。早く元気になってくれ」
「うん、分かった」


カールがベッドに寝転ぶのを見ると
"おやすみ"と額にキスをして部屋を出た。
すぐにリックも続いて部屋を出てきた。


『カールの側にいなくていいの?』
「あぁ、町の状況を把握しないとな」


眉間を指でほぐすリックは大変お疲れの様だ。
そういえばカールはロンに撃たれたって言ってたけど
ロンの姿を見ていない。サムとジェシーも…
姿が見えないということはそういうことなんだろう。
リックにとっては辛い1日だったかもしれないな…


『平気?修復の予定がたったら休んだ方がいいよ』
「ありがとう。疲れているのは俺だけじゃないさ」


リックはそういうと私の頭をぽんっと撫でた。
私達はみんなの元へ。
被害状況の確認やミショーンが出したディアナの計画表を
元に今後の町修復のプランを立てていった。


「みんな疲れていると思うが、まずは壁の修繕。
 それが終われば作戦に出ていたメンバーは休んでくれ。
 特にダリル、エリー、グレン、サシャ
 エイブラハムが優先的に休んで、後は交代で休もう」


リックの言葉にそれぞれが作業に取り掛かる。
私やマギーは壁の修繕は手伝えないので
見張りをしながらウォーカーの死体を集めた。
マギーと話しながら作業をしていると
ふとイーニッドがどこかへ走って行くのが見えた。


『イーニッド?マギー、ちょっと行ってくる』
「えぇ。ここは任せて」


イーニッドを追いかけると家に向かっていた様だ。
なんだ、心配のしすぎだったかな?
でもちょうどいいや。彼女にお礼を言わなきゃ。


『ねぇ、イーニッド!』
「……なに?」
『マギーを助けてくれてありがとう。
 グレンのことも。あなたって勇敢なのね』
「そんなんじゃないわ…」
『でも家族を助けてくれた。
 あなたが誰かに助けて欲しい時は私を呼んで。
 出来ることは少ないかもしれないけど力になる』
「どうして?私はあなたに何もしてない」
『言ったでしょ?家族を助けてくれたからよ』
「……話はそれだけ?もう行っても?」
『えぇ。呼びとめてごめんね。行って』


イーニッドが家に入ろうとした時に
ふと"カールの事を伝える気"になった。


『あぁ、そういえばカールが目を覚ましたの。
 お友達でしょ?またお見舞いに行ってあげて』


イーニッドは振り向いただけで何も答えなかった。
私は手を振るとマギーの元へと歩み出した。


『ただいま、マギー』
「イーニッドは大丈夫だった?」
『えぇ、家に帰っただけみたい』
「そうよね…きっと疲れたわよね」
「マギー、エリー。私達は昼食を作りましょう。
 エリーは昼食を食べたら一度ダリルと眠って」
『でも彼が大人しく寝てくれるかどうか…』
「彼にはエリーが無茶しない様に見張ってと」
「ダリルもエリーから離れられなくなるわね」


キャロルはダリルのことを扱うのが上手だ。
扱うって言ったら言い方悪いかな?
でもさすが母親って感じ。ちょっとだけ羨ましい


3人で昼食を作り、マギーはカールと私の兄の所へ。
私はジュディスにご飯をあげていると皆が帰って来た。
キャロルが"ダリルを探してくる"と言うとさっと家を出て
宣言通り、本当にダリルと2人で戻って来た。
ダリルは頷いて私の方を見ると一目散にこちらに来た。


「ジュディスはご機嫌か?」
『えぇ、今日も良く食べてる』
「そうか。昼食が終わったら寝るぞ」
『壁の修復は手伝わなくていいの?』
「いい。リックが休めと言っただろ?」
『そうだったね。グレン達も休むって?』
「あぁ。駄々をこねてたけどな」


グレンはともかくサシャとエイブラハムは
"休んでいるひまがあるか?"と駄々をこねそうだ。
実際に部屋に入って来たエイブラハムの口はへの字に…
エイブラハムは本当に働き者だな。


「あ!んーまっ!」
『ダリルを指差してるよ』
「なんだ?おてんば娘」
「だー!」
『ダリル』
「だーる!」
『うわ、凄い!天才じゃない!?』


ジュディスが"ダリル"と発音しているらしい声を聞いて
満面の笑みでダリルを見れば、満更ではない顔をしている。
でもリックより先にいいのだろうか…と思わなくもない…


「エリー、ダリルも早く食べて」
『あ、はーい。ジュディスはここに座っててね』


ジュディスを子供用の椅子に座らせると
ゲイブリエルとジュディスの子守を交代した。
そして昼食を食べるとダリルと共に部屋へ…

さっとシャワーを浴びてベッドに潜り込んだ。


『ベッドに入ったら急に眠気が来た……』
「ちゃんと寝とけ。ハリーに輸血もしただろ」
『あぁ、そういえばそうだっけ?ふあぁ…』


私はダリルをぎゅーっと抱きしめた。
もし、私が寝た後に抜けだそうとしても
絶対に抜けだせない様にしてやるんだ!


『ダリル……おやすみ…』
「あぁ、おやすみ」


ダリルの低い声と額に優しいキスを感じて眠りについた






[ 171/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]