ベルトや身につけている物で武器を作っていく。
私はリックにナイフを差し出す。


「……捨てなかったのか?」
『身体検査はされないと思ったから、念のため』
「…君が持っていろ」
『これでカールを守って。その為に必要よ』
「…ありがとう」


リックはナイフを受け取った。
私達は話しながらも武器を作っていく。
銃やナイフには劣るが、殺傷能力はあるだろう
辺りから話し声が聞こえてきた


「いいか?4人が向かってくる」
「分かってるな?最初は目で次は喉だ」
「両端の壁に背中を付けて立て!今すぐだ!」


男達の声には従わず、扉が開くのを待つ。
ところが予想とは別の……上が開いた。
何かが投げ込まれる。
なんだろう…?
みんなが見ていた時…


「逃げろ!!!」


エイブラハムの声と同時に、何かが爆発した。
壁に身体を打ち付けた私は意識を飛ばした


「エリー、エリー!」
『ん……マギー?』
「良かった…平気?」
『うん……この音は何?』
「恐らく襲撃を受けてるんだわ」
「失礼」
「…何をしてるの?」
「ドアをこじ開ける。みんな死んだ」
「黙って、ユージーン」


何がなんだか…
ダリル達もいないし、周りからは爆発音。
エイブラハムはイライラしてる。
隣にいたカールとマギーがみんなに声をかけた


「パパは帰ってくる。他のみんなも」
「その時のために戦う準備をしましょう」


マギーとカールの言葉にみんな武器作りに戻る。
私も武器を作り始めた。

しばらくしてみんなが何かを話し始めたが、
私はあまり聞かずに武器を作る事に専念した。


『カール。これも持ってて』
「エリーは?」
『私にはまだこっちがある。これを使うわ』
「分かった……!?」


私と話していたカールが顔を上げてドアを見る。
私もつられてドアを見るとそこにはリックがいた


「フェンスに向かって走れ!!!」


外に出るとウォーカーで溢れ、火の海となっていた
思わず唖然としてしまう


「カール!!」
「パパ!」
「ユージーンを囲め!」
「フェンスに向かえ!逃げろ!」
「エリー!!」
『ダリル!』
「俺の側から離れるな!」
『うん!』


ユージーンを囲み、ウォーカーを倒していく
なんとか全員が無事に終着駅から脱出することが出来た。
私達はリックが埋めたカバンを取りに急ぐ


「ここだ」
「何を捜している?」
「銃だ。物資もある。銃を持ったら奴らを殺しに戻る」
「なに?」
『……戻るですって?』
「奴らを生かしてはおけない」
「リック…逃げられた。終わりだ」
「奴らが死ぬまで終わらない」
「炎に包まれてるし、ウォーカーもいる!」
「出らればかりだ。俺は戻らないね」
「奴らは逃げたか…死んでる」


全員がリックを見守る。
こう…なんというか…リックは自分を見失う時がある
ハーシェルやカールとのリハビリのおかげでましにはなったが…

すると突然ダリルが走り出した。
その先にはキャロルとお兄ちゃんが…
ダリルがキャロルをしっかりと抱きしめる。
私もお兄ちゃんに向かって走り出した


「エリー!」
〈お兄ちゃん!!!〉
〈迎えに来るって言っただろ?〉
〈うんっ…!生きてるって信じてたよ…!〉


お兄ちゃんとハグを交わした後、キャロルにもハグをする。
私達はきちんとお別れを言えずに別れていたから…
リックも近付いてくる


「君だったのか…?」


リックとキャロルもハグを交わした。
そしてキャロルは"ついてきて"と言った。
キャロルについて行くと、タイリースとジュディスが…
良かった…みんな…生きてた…


「君は?」
『私のお兄ちゃんよ』
「ハリーと呼んで」
「助けてくれてありがとう、ハリー」
「こちらこそ。エリーと一緒にいてくれてありがとう」


グレンとお兄ちゃんが握手を交わす。
どちらとも私の大切なお兄ちゃんだ。
ふふ、なんだか変な感じ…


「今日はこの近くで野営しよう」
「薪をとって来る」
『私も行くわ』
「いい。グレンと行く。エリーは兄貴といろ」
『うん、分かった』


お兄ちゃんの隣に座る。
あれからみんなにもお兄ちゃんを紹介した。
タラもお兄ちゃんとハグを交わし嬉しそうに笑った。
キャロルも私達の元に帰ってきた。
終着駅であんなことがあったけど、順調なんだと思う。
あとはベスが見つかればいいんだけど…
彼女は無事なんだろうか…?


ダリルとグレンが持ってきてくれた薪で火を起こす。
私達は軽い夕食を取ると明日に備えて眠りについた





[ 142/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]