10

今日は特別な日…
そう、私とリリーの誕生日よ!!
私達双子は1月30日に産まれた
リリーが先で、私が後。
つまり、リリーの方がお姉さんね
だからきっと魔法を使うのも早かったんだわ
な〜んて…リリーには才能があっただけよね

そんなことはどうでもいいわ!
とにかく誕生日を楽しまなきゃ!


『リリー!』
「エリー!」
『「誕生日おめでとう」』
「あぁ、私たちもた一つ大人に近づいたのね」
『そうよ、リリー。また第一歩進んだわ』


リリーと手を繋いで大広間へ…
朝食を食べているとたくさんのふくろうがやってきて
私とリリーの元へ手紙や荷物を落としていった


「何なに?今日は何かのイベント?」
「うるさいわ、ポッター。関係ないでしょ」
『おはよう、シリウス、リーマス』
「おはよう、エリー、エバンズ」
「はよ…」
「おはよう、ルーピン」
「今日は何の日だい?」
『聞いてリーマス!私とリリーの誕生日よ!』
「「誕生日だって?!」」
『あなたには言ってないわ、ポッター』
「あぁ!愛しのリリー!誕生日おめでとう!
 僕の元に生まれてきてくれてありがと、
 ぐはっ……今日も強烈………」
「誰もあなたの元には生まれてないわ」


いつも通りのやり取りを見ながら祝福を受ける


「おめでとう、エリー、エバンズ。
 誕生日だなんて知らなくて…ごめん
 僕たち、何も準備してきてないんだ…」
『いいのよ、リーマス!気持ちだけで嬉しいわ』
「おめでとう双子」
『適当なお祝いをありがとう、シリウス』
「あの…おめでとう…二人とも」
『ありがとう、ペティグリュー』
「本当におめでとう!リリー!そしてエリー」
『はいはい、どうもありがとう』


お礼を言うとポッターは無視して手紙を読み始めた
ママ・パパ・ペチュニア・セブはもちろん
リリーをお気入りにとしている先生二方から来ていた
それからダンブルドア校長とマクゴナガル先生…
そして友人何人かからも来ていてプレゼントは後で
リリーと部屋で開けることにした。


『あぁ、最高の誕生日だわ!』
「えぇ、本当に…ペチュニアからも
 お祝いが来ていて少し安心しちゃった…」
『当たり前じゃないっ、私たち三人は姉妹なのよ?』
「そうね、そうよね…?ありがとうエリー」


リリーと手を繋いで歩く
不安な心を全て受け取れるように
リリーの手をぎゅっと握りしめて


そして夜…
みんなで晩ご飯を食べて談話室でお祝いして
もらっている最中、急に大きな音がした


『「なにっ?!」』


みんなが驚いていると小さな蝶が二匹
ひろひろと舞い込んで、リリーと私の
周りをくるくると舞い踊った
赤の蝶と紫の蝶…そして赤の蝶がリリーの元へ
紫の蝶が私の元へ止まり、髪留めに変わった
よく見るとブローチにも使えるようだ。
なんて便利なんだろう……


『素敵な魔法…』
「本当ね…」
「喜んで頂いて光栄です」
『「ポッター…」』
「僕たち、悪戯仕掛け人4人からプレゼントだよ」
『「悪戯仕掛け人?」』


皆、初めて聞く単語にきょとんとした
ポッター、シリウス、リーマス、ペティグリューの
四人は並んで高らかに宣言した
最もペティグリューは言えてなかったが…


「「「我らここに誓う、
 良からぬことを企む者なり」」」
「僕たち四人で悪戯仕掛け人発足さ!」
『またくだらないことを…』
「くだらなくなんてないさ」
「あなた達が何しようとどうでもいいけど、
 グリフィンドールには迷惑をかけないでちょうだい」


正直、少し呆れてしまったが、髪留めは嬉しかった
素敵な魔法だったことに違いはないんだし…


『でも、これはありがとう。使わせて頂くわ』
「エリー」
『リリーも素敵な魔法だと思ったでしょう?』
「それはそうだけど…」
『じゃあいいじゃない?』
「……そうね、有り難く、私も使うわ。
 なんていったってエリーとお揃いだしね」


お互い髪留めを付けてにっこり笑う


『「ありがとう、四人とも」』
「あぁ!!なんて天使なんだい!?リリー!」
「気安く名前を呼ばないで!」
「ぐはっ…!」
『あははははっ』


私はあの悪夢を見てから、少しだけポッターに対する
見方が変わったことは認めなければならない

それでも嫌な奴よ、傲慢でわがまま
とっても友達想いの、ね……




夜も更け、リリーと部屋に戻る


「ねぇ、エリー。
 こんなこと…言いたくはないんだけど…」
『なぁに?リリー』
「あまり…あいつらに近づかない方がいいわ
 特にブラック。エリーはブラックとルーピンと
 仲がいいみたいだから…私、心配なのよ…」
『リリー…でもリーマスは…悪い人ではないのよ?』
「そんなの、エリーには分からないじゃない」
『リリーにも分からないはずよ』


だめ、このままだと喧嘩になってしまう…
仕方ない…少しだけリリーに話そう。


「でもエリーっ!!」
『リリー、お願い。話を聞いて?
 彼を…救ってあげたいの。私は夢で彼の深くて悲しい…
 心の闇を見てしまったのよ。力は知ってるでしょ?
 ブラックのことは私もよく分からないわ。でもっ…
 リーマスは助けてあげたいの。彼のせいではない所で
 ずっと苦しんでる、から…少しくらい、いいでしょ?』
「エリー…分かったわ。あなたの力は本物だもの
 でもいいこと?ブラックには安易に近づかないで
 セブを…ポッターと一緒にいじめているかもしれないのよ」
『えぇ、分かってる。分かってるわ、リリー』
「それならいいの…」


リリーはふぅ、とため息をつくと
もう寝ましょう、とベッドに入った


『おやすみ、リリー』
「おやすみ、エリー」


あぁ、なんだか今日は疲れちゃった…
たくさん笑ったけど…最後だけ…
変になった誕生日だった






[ 13/216 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]