私とリリーはたくさんのハウスエルフが作業している
大きな厨房の中の一角を陣取って大きなお鍋を覗いていた


「どう?エリー」
『うん、いい感じよ?リリー』


何してるかって?
明日はバレンタインっ!
日頃の感謝の気持ちを伝えるために
みんなにチョコレートを配るのよ♪
私たちも誰かにもらうかも知れないから
すぐにその場でお返しを渡せるように
たっくさん予備を作っておいて、ね?


『それにしてもリリー…
 鍋で作るのがうまいわね?
 さすが魔法薬学の首席候補かしら?』
「もう、辞めてよエリーったら…
 そんなんじゃないわよ、関係ないわ」
『ふふ、謙遜しなくていいじゃない』
「事実だわ」
『私も事実を言ってるわ』
「分かったわよ。容器を出して」
『はーい』


50人分のチョコレートを作って厨房をあとにした
材料費?材料はもちろんのことハウスエルフが用意して
くれたから材料費はただよ!(ドヤ)素敵でしょ?(笑)

リリーとお互い誰にあげるか相談しながら
それぞれラッピングをしてから眠りについた



次の日、私は朝早く起きて男子寮へ


 ドンドン!!

『起きなさい、シリウス・ブラック!』
「……エリー?」
『リーマス、おはよう。シリウスは?』
「まだ夢の中だよ…どうしたの?こんな朝早くに…」
『リリーにバレる前に渡したいの、中に入れて』
「あっ!ちょっと、エリー!!」


すやすやと眠るシリウス発見
シリウスのほっぺたを叩き、起こす


『シリウス!起きてったら!』
「んっ、ん〜…なんだ…?エリーか…?」
『さぁ、起きてシリウス。餌をあげるわ』
「えさ…?」
『ほら、ハッピー バレンタイン』
「………え?」
『バレンタインのチョコレートよ!
 別にシリウスに感謝することは対してないけど
 ついでだからあげるわ?ふふ
 クリスマスプレゼントももらったしね?』
「…褒められてんのか、貶されてんのか…」
『これからもよろしくね?シリウス』
「あぁ、こちらこそエリー」
「僕にはないの?エリー」
『リーマスには後でリリーとあげるわ
 まだ楽しみにしてて?大広間でね?』
「あぁ、分かったよ。楽しみにしてる」
「エリー」
『なーに?シリウス』
「俺もお礼をやる」
『お礼……?』


ちゅっ、とリップ音をたてて
シリウスは私の頬にキスをした


『なっ…!///』
「サンキューな、エリー」
「シリウス…君ってやつは…」
「あ?んだよ」
『しっ、シリウスのばか!!』
「ぐはっ、な、なんでパンチ…」


私はシリウスをベッドに沈めてから
自分のベッドに逃げ帰って潜り込んだ
うぅ…恥ずかしすぎるよ…///


「エリー?起きてるの?」
『……起きてる』
「どうしたの?
 ……もしかして今ドキドキしてる?」
『ふえっ!?べ、別にっ!?』
「怪しいわね」
『へ、変な夢見たから…』
「そういうことにしておくわ
 ほら、行くわよ大広間。チョコを
 みんなに配る約束でしょう?」
『えぇ、そうね…行きましょう
 早くしないとセブに会えないわ』


私とリリーは女子寮を出た
すぐ側のソファにポッター、リーマス
シリウスと…もう一人知らない子が座ってる…
誰だろうあの子?今まで一緒にいたかしら?


「おはよう!!リリー!エリー!
 今日も可愛いね!今日はなんの日だか知ってぐはっ…」
『「うるさい、ポッター」』
「おはよう、エリー、エバンズ」
『おはよう、リーマス!リリー、あげましょう?』
「そうね、ルーピン。今日がなんの日か知ってる?」
「さっきジェームズも言ってたけど…」
『「そんな人知らないわ」』
「(苦笑)えっと、僕には分からないよ」
「今日はバレンタインよ、ルーピン」
『いつも仲良くしてもらってるお礼よ』
『「チョコレート受け取って?」』


そう言って包みを差し出す
リーマスは嬉しそうに受け取ってくれた
甘いものは好きな方なんだそうだ


「僕には!?リリー!!」
「ないわ、ポッター。」
『残念でしたポッター』
「エリーまで!酷いよ!!」
「気安く名前を呼ばないで!」


リリーはポッターをいつも通り沈めてから
二人で大広間に向かった…セブを探さなきゃ!


「リリー、エリー」
「セブっ!!」
『…びっくりしたぁ!後ろから!?』
「悪い…今から朝食か?早いな」
「えぇ、そうよ。セブは少し遅いのね?」
「あぁ。朝から捕まってな…」
『まぁ、それは御愁傷様…』
「そんなセブにプレゼントがあるわ!ね?エリー」
『そうよ!じゃじゃーん!』
「……なんだ、それは」
『「バレンタインのチョコレートよ!」』
「バレンタイン?」
「日頃の感謝の気持ちをこめて」
『リリーと手作りしたのよ?』
「…ありがとう、食べさせてもらおう」
「良かったわ!」


リリーもセブもニコニコしてて嬉しい!
それからセブのお友達が後ろから来たから
セブは一緒にスリザリンの席に行ってしまった
……もう少し話したかったな…

それからリリーとご飯を食べて、大広間に来た
ダンブルドア先生、マクゴナガル先生や
他の先生方にもチョコレートを配った
バレンタインカードをくれた子たちにも
お返しにチョコレートをあげて…
あっという間にチョコレートはなくなった


「来年はもう少し増やすべきね…」
『そうね…まさかの反響だったわ』


渡せなかった人の分はホワイトデーにでも…
と心に決めたエバンズ姉妹であった




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